京都とUSJの旅

 3年ぶりに京都へ行ってきた。今の季節は紅葉の京都で、1年の中でもっとも賑わっている。本当は3日間を京都で過ごす計画だったのだけど、1泊目のホテルはなんとかとれたものの2日目のホテルがまったくといっていいほどとれなかったので2泊目は大阪に泊まり3日目はUSJに行くことにした。
■壬生の新撰組
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 今年は久しぶりにNHKの大河ドラマを見ている。もちろん「新撰組!」。恥ずかしいことに、新撰組とはいつの時代のどのような組織だったのかという知識はほとんど持ち合わせていず、新撰組と忠臣蔵との区別すらつかない状態の私だった。けど、ドラマを見てきて人並みの知識を得たと思われるので、今回の旅行では新撰組ゆかりの地を少し歩いてみることとした。京都の市内はどこにいってもあの「誠」の旗がはためいていたのが印象的。
 まずは何を置いても壬生の八木邸。新撰組の屯所があった場所だ。
 当日は9時半に京都に着き、まっすぐ八木邸に行ったにもかかわらず、すでに長蛇の列で、邸内に入るのに20分待ちという状況だ。何でも5月くらいは2時間待ちで、行列が大通りまで続いたこともあったそうな。
 建物は幕末の時代のままで、芹沢鴨が暗殺された時に逃げようとしてつまずいた文机や刀の切り傷などが当時のまま残ってる。入館料1000円は少し高い気もするが、中では説明員が話をしてくれるし、見学後は抹茶とお菓子を出してくれるので良心的だとは思う。
 隣には壬生寺があり、ここには近藤勇の像などがあるが、新撰組ゆかりの人物の墓も有料で見ることができる。写真は芹沢鴨の墓。
■島原界隈、角屋
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 壬生を南に降りていくと島原地区がある。花街だ。東には島原大門、西の端には角屋が控えている。
 中程には近年まで使われていた歌舞練場後(今はデイサービスセンターになっている)、現在も営業している置屋の輪違屋(わちがいや)などが点在しており、花街の風情を残している。
 角屋は揚屋(あげや)と言われる店で、現在は「角屋もてなしの文化美術館」として公開されている。幕末の頃は久坂玄瑞や西郷隆盛が密会をしたり(記念碑が建っている)、新撰組が酒盛りに使ったりしていたといい、芹沢鴨暗殺の夜、芹沢を酔わせるために酒宴を催したのもこの店ということだ。
 入場すると説明員の方が説明してくれるが、この時間は私たち2人しかいなかったのでアットホームな雰囲気でいろいろ説明を伺った。揚屋と茶屋との違い、太夫と花魁の違い、新撰組は京の嫌われ者だった、角屋は重要文化財だけど撮影OKだよ、などなど。
■龍馬の宿 寺田屋
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 島原からJR嵯峨線の丹波口駅に行きいったん京都駅まで戻り、そこから中書島方面へのバスに乗り換えて伏見方面へ南下し、京橋で下車するとすぐそこに寺田屋があった。幕末の頃坂本竜馬が滞在していた宿だ。
 館内は当時のままとなっており、竜馬の部屋や当時の刀の切り傷、弾痕などがそのままの形で残っている。また、おりょうが入浴中に敵襲に気づき裸のまま階段を駆け上がって竜馬に知らせたという逸話のある風呂桶と階段なども見ることができる。1階は竜馬に関する写真や物品などがコレクションされていたりして、竜馬ファンにとっては聖地のようなところなんだろう。現在でも宿泊できるようだ。
■竜馬寿司
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 寺田屋を出て少し歩くと商店街の入り口があった。「竜馬通り商店街」と書かれている。へえ~京都にこんな名前の商店街があるんだっていう感じ。お昼をまだとっていなかったので何か食べようと思い商店街に入っていった。すると「竜馬寿司」という看板の少し派手な店があったのでせっかくだからとその店で食べることにした。3階に案内されたが2時を過ぎていることもあり他に客は誰もいず、少し寒い店内で(落ち着いて?)食事をすることができた。メニューから「竜馬寿司」と「おりょうちらし」を注文。出てきたのは竜馬寿司は大きめの鯖寿司だった。押し寿司好きの人はたまらないだろう。おりょうちらしはおりょうさんが入浴していたという風呂桶を入れ物にみたてているのがミソのちらし寿司。豪華ではなが、丁寧に作られてちらし寿司で満足。
■舞子の舞、京都秋の弁当
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 1泊目は二条城の向かいにある京都国際ホテルに宿泊した。当夜はラウンジ前の中庭で舞子の踊りを行っていた。(毎日やっているのかな?) とってもかわいい舞妓さんで(踊りがうまいのかどうかはわからないけど)一気に「京都に来たんだ」っていう感慨にひたってしまった。中庭の池の上にしつらえた舞台で踊ってたんだけど、池には2羽の白鳥が優雅に泳いでいて舞台につかず離れずしている。すごいなあ、と思っているうちにその理由が明らかになった。踊りを終えて舞子の説明があったのだが、白鳥たちは舞台に寄っていって離れないのだ。すると最後に舞妓さんが餌をやり始めましたのです。これを待っていたんだね。京都の白鳥というと京都競馬場の馬場内にある池の白鳥を思い出すけど、ここにも京都の白鳥がいた。
 京都旅行で夕食というと祇園あたりの有名なお店でちょっと豪華な京都料理といきたいところだと思うけど、昼間歩き疲れて動きたくない私たちはデパートの地下で弁当を買ってホテルの部屋で食事した。よりどりみどりの京風弁当の中からやはり秋の風情を感じる色彩の弁当を選んだ。部屋でくつろいで食べる京風弁当もなかなかよかった。
■修学旅行の高校生と清水寺
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 2日目は清水寺からだ。清水寺へは確か修学旅行で行ったはずなんだけどまったく覚えていない。今回は大人の修学旅行という気分で行ってみよう。
 清水寺についてみるとその人の多さに圧倒される。しかも半分以上が修学旅行生の高校生だ。ちょっとワル風の高校生達が集団でガイドさんのあとについてお寺を見学しているのはどこか微笑ましさを感じたりする。縁結びの地主神社なんかは100%高校生といってもいいほどで、みんなここぞとばかりに石段を登っていっていた。
 音羽の滝ではではテーマパークの行列みたく高校生達が水を飲もうとならんでいた。女子高生達の腰のあたりにお揃いでついていたスヌーピーはUSJのチケットホルダーかな?
 清水寺のでおみやげは大黒天のマスコットを買った。これで仕事も生活も開運だあ!
■混雑の嵐山周辺
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 清水寺からバスで四条大宮へ行き京福電鉄で嵐山へ。
 予想はしていたがこれほどまでとは思わなかった。京福嵐山を出たとたん通りは人の波だった。それがそのまま渡月橋まで続いている。渡月橋から戻って天龍寺、常寂光寺と人の波は途絶えることがなかった。どころか常寂光寺は狭い境内に入れずに山門の外にまで行列が出来ているのだ。これではきれいな紅葉だが、ゆっくり味わうというにはほど遠い。
 しかし竹林はとてもきれいだった。木漏れ日の中でスクッと伸びる竹はリンとさせてくれた。
■落ち着いたたたずまいの清涼寺
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 かなり参っていたところ、清涼寺にいってほっとした。ひろびろした境内と大きな本堂があるこのお寺には参詣客はほどほどでさきほどまでの喧噪がウソのように落ち着いていた。本堂内の本尊釈迦如来は体内に絹で作られた五臓六腑が入っていたといい国宝になっている。本堂の中のかなり近くまで寄って見ることができた。(遠目で見ていたらお寺の人からもっと前に行って見ていいよと言われた)
 本堂内の柱が漆を塗り立てだったようなのだが、普通だと「漆塗りたてです。さわらないでください」という張り紙がありそうなところが、「漆塗りたてです。さわるとかぶれますのでご注意ください。」と書かれていた。なかなかやさしくてよろしい。
 このお寺にきた理由は境内の茶屋であぶり餅を食べようと思っていたからだ。あぶり餅というと今宮神社参道をはさんだ本家と元祖の商売敵がよくテレビに出たりして有名だが、ここのあぶり餅はどうなんだろうと思って食べたいと思った。写真で見るように今宮神社の方とまったく同じ餅だ。お店の人に聞いたら「あちらの方とはまったく関係ないですよ」とのことだった。二人で3皿をいただいて満足。
■京阪京橋ホテル
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 嵐山嵯峨野からバスに乗り三条烏山に戻った。もう一度祇園のあたりまで商店街をぶらぶらと歩いて、お店をのぞいたりコーヒーを飲んだりしてゆっくりと過ごした。
 2泊目は大阪なので京阪電車の特急に乗り込んだ。大阪まで390円って安くない?
 京阪京橋駅に着くと構内にすでに「京阪京橋ホテル」の案内板がある。駅直結、というより駅の中にホテルがあるという感じだ。旅の窓口で予約したのだが、宿泊者には「するっと関西」か「Jスルー」のどちらかのカードをくれるというサービスが付いていた。翌日はUSJに行く予定だったのでJRを使えるJスルーカードをいただいた。(1000円券×2枚)
 夕食はホテルと同じビル内の鉄板焼き「千房」に行った。焼きそばやお好み焼きを目の前の大きな鉄板で焼いてくれる。大阪特有の(だと思うけど)甘ったるいソースの焼きそばはもっのすごくおいしかった。
■USJ!
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 さて最終日はUSJだ。朝8時半頃に着いたのだが入場したのは9時くらいだった。場内にはクリスマスの音楽が流れ巨大なツリーが建てられるなどクリスマス気分一色だった。
 とりあえずは定番のJAWSとジュラシックパークへ。朝早いせいか並ばずに乗ることができた。JAWSのためにポンチョを買ったのだが、終わったと思い鞄にしまった。ところがジュラシックパークでも必要だった。また取り出して楽しんだ。もう終わりと思った。その通りだったが、次に入ったバックドラフトでは今度は火責めだ。そうかユニバーサルスタジオというところは火責め水責めなのか。
 残念ながらバックットゥザフィーチャーやスパイダーマンなどは2時間待ちなどで入ることができなかったが、一番面白かったのがターミネーター2かな。タカビーな綾小路に始まり、3Dの映像、メカニカルなロボット、目の前を走り回る実演が入り乱れる。すっかり劇中に入り込んでしまった。興奮冷めやらず、おみやげに写真のような入れ物のクッキーを買ってしまった。
■京都って
 USJというテーマパークを後にして3日間を振り返ったのだが、京都というところは地域全体が巨大なテーマパークなのだな、と思った。新幹線で京都駅を降りた瞬間に時代絵巻の中に降り立った気分になる。どこに行ってもすばらしい建物や国宝のような物を堪能することができる。京都特有の雰囲気やおいしいものを求めて網の目のようなバスや鉄道を乗り継いで徘徊し回る楽しさはテーマパーク以外のなにものでないと思う。
 これほど巨大でよく出来たテーマパークは世界どこに行ってもないのではないだろうか。
などと思った帰りの新幹線だった。

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