ハンニバル・ライジング

Hannibal_1

錦糸町OLINASにある東宝シネマズ錦糸町で今日封切りの映画「ハンニバル・ライジング」を見てきた。「羊たちの沈黙」「ハンニバル」「レッド・ドラゴン」に続くレクターシリーズ4作目だ。

天才殺人鬼レクター博士の人格がどのように形成されていったのかが明かされていく。リトアニアでの第二次世界大戦末期のナチスとソ連軍の狭間で妹の虐待を目の当たりにして、記憶や言葉を失うほどのショックを受ける。そこに日本人の叔母がからんで復讐の行為に傾倒していき、しだいにハンニバル・レクターが形成されていく様が描かれていく。

とにかくおもしろかった。殺人シーンやそれを食べたり首を晒したりというきわめて残酷な映像がこれでもかと出てくるのだが、不思議と自然に入ってくる。「怖い」という感情が出てこないのだ。たぶん気持ちがハンニバル・レクターの人格形成の過程を知りたいという方に向いているので、それらの殺人が当然のこととして理解されてしまっていたのではないかと思う。

「神秘的で美人の」日本人の叔母レディ・ムラサキ役には中国の俳優コン・リーが当たっていたが、日本人には日本人の俳優を宛てて欲しかったなあ。でも欧米では同じ白人であれば特に国籍を厳格に同じにしなくてもいろいろな俳優がやっているからその感覚なのかなあ。たしかに神秘的ではあったけど。

あと、浦沢直樹のコミック「MONSTER」にも兄弟の兄として殺人鬼が出てくるけど、レクターも妹が大きくからんでいる。どこか共通性を感じた。

原作ではまだシリーズ作があるのだろうか。あと描く設定としては今回の妹復讐劇が終わってから「レッド・ドラゴン」に入るまでにレクター博士がどのように精神分析分野で名を上げて連続殺人に至ったのか、というところと、「ハンニバル」で逃走してからどのような人生を送っているのかというあたりかな。でも原作ではレクターは自らの腕を切断して逃げたのではなく、クラリスとともに逃走し、クラリスと共に生活しているという可能性もあるということだから、この辺の原作と映画との差をどう埋めていくかも楽しみだ。(もしやるのであればだけど)

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