プロが絶対買わない金融商品

Kinnyuushouhin_1

今年退職したので退職金というまとまったお金が入った。このまとまったお金、どうしようかなと思い、書店で目にとまったのがこの本だ。世の中に資産運用の商品はたくさんあるけど実際どんなものなのかを評価している。

結論だけ書いてしまうと、「ほとんどの金融商品は金融機関側に都合の良いしくみとなっており、あえて高い手数料などを払ってそれらを利用する理由は見あたらない」ということだ。

それらの商品は以下のようなものだ。
・毎月分配型投資信託
・高金利個人向け外債
・毎月利払い型個人向け外債
・外貨預金
・投資信託全般
・満期選択型定期預金
・EB債
・サムライ債
・二重通貨建て債券
・高利回り社債
・元本確保型投資信託
・外貨建て変額個人年金
・転換社債とMSCB
・テーマ型投資信託
・REIT
・ヘッジファンド

一方この本の中で唯一「買ってもいい」と書いているのは次の二つ。
・定額貯金
・個人向け国債

理由を引用する。
『定額貯金は預け入れたときの金利で最長10年間預けておくことも出来ますし、ペナルティなしで解約することもできます。(中略)金利が上昇したときには、コストなしで金利が高い預貯金商品に乗り換えられる一方、金利が低下したときには、当初預け入れ金利のまま最長10年間預け入れられる(中略)そのようなオプションを持っているにもかかわらず定額貯金の金利は銀行の定期預金と遜色はない(中略)「モデルチェンジがあったらいつでもその新車に交換してくれる」という約束付きの自動車購入みたいなものなのです。』

非常にわかりやすい理由だ。実際私も1990年のバブル絶頂期の頃に郵便局員の薦めによりばらばらだった定額貯金をひとつにまとめて預け直していたものがあった。2000年の満期の頃は世の中の超低金利にもかかわらず元本の1.6倍くらいの満期金が戻ってきたのだ。

個人向け国債も利率と解約ペナルティの程度の差はあるが同じような預け入れ側に都合の良い性格の商品ということだ。

この本のもう一つの面として、金融機関がいろいろなそのような自分達に都合の良い商品を売って集めたお金をどのように運用しているのかという話の部分が詳しく書いてあることだ。デリバティブを利用して金利マジックを作り出す手法が説明されている。

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