『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』

先日書店で平積みになっていたこの本が目に止まった。かなりセンセーショナルな表紙だ。普段、ゴミの分別やエコバッグ活用をやっている身としては気になる内容だ。

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この本で主張してることは以下の内容だ。

・ペットボトルのリサイクルなどごみのリサイクルは特定の利権を手にする人だけが利益を得て、資源全体から見ると7倍の資源消費となる。
・猛毒と騒がれたダイオキシンは人間にとっては毒ではない。不安をあおったマスコミには責任がある。
・地球温暖化を騒ぎ立てるのは問題だ。北極や南極の氷が溶けても水面は上がらない。京都議定書は何の役にも立たない。私たちは地球温暖化に対してもっと別な生き方をしなければならない。
・紙のリサイクルの裏に隠された問題。
・石油の枯渇とそれに対する私たちのとるべき対応。

全体を通してのスタンスは、環境問題に対して行政やマスコミはウソを含めて不安をあおることが多く、見た目だけの対策はかえって資源の無駄遣いになっているということと、その裏には特定の利権を手にするものが存在するという構造になっているということ、また私たち自身は本当のところを理解し、自分たちの生活、子供達の生活を心配するのなら、とるべい対応は小手先だけのリサイクルなどではなく、生き方そのものを考え直さなければいけない、というようなことだ。

この本については反論もかなりあるようだ。例えばペットボトルのリサイクルにおける再資源化率の数字はでっちあげだ、というような主張もある。しかし、この本に書かれていることすべてがウソというわけではないだろうし、全体のスタンスとしては納得できるところだ。

自分自身で何が本当に正しいのか調べ上げるのは不可能なので何を信じればいいのかは難しいが、この本だけでなく、「一般的な」環境問題の本も読んでみたい。

コメント

  1. 尾崎元昭 より:

    この本は「たかじんのそこまで言って委員会」(10ch)というTV番組で取り上げられていたと思います。本の著者も出演されていました。

    真実はどこにあるのでしょうかね。

    今晩は合唱曲に取り組みます。

  2. ブライアン より:

    最近お見かけしませんでしたが、作曲に専念されていたのでしょうか。グリーグの小品のような叙情的な曲なんでしょうね。

  3. yutakarlson より:

    環境問題確かに、マスコミの煽りには気をつけなければいけないと思います。私のブログでは、私が環境問題に関心を持つことになったきっかけを掲載しています。特に、環境問題に対するマスコミの弊害についても述べています。大学時代の私の恩師(私が一方的にそう思っているだけ)の大学での最後の講義の内容を掲載しています。

  4. ブライアン より:

    yutakarlsonさん、コメントありがとうございます。

    早速ブログに訪問させていただきました。よい先生と巡り会われてよかったですね。yutakarlsonさんのブログも参考にさせていただいてこれから環境問題も自分なりに納得のいくよう勉強したいと思います。

  5. KURIKURI より:

     こんばんは。エントリ、とても興味深く読ませていただきました。最近は環境問題がちゃんとひとつのムーヴメントになる一方で「○○をすればよい」「××をしてはダメ」式の単純化された議論が多いのではないか、と思われてなりません。バイオ燃料も、資源リサイクルも、マイ箸も、エコバッグも「よさそう」というイメージはもつものの、本当のところは?といっぺんその仕組みに立ち返って考え直したくなります。決してそういう取り組みに対して斜に構えるわけではなくて、むしろ正面からいちど効果と先行きをちゃんと考えてみる機会がほしいなと思います。『環境問題はなぜ嘘が~』も挑発的ですけれど、考えるイイきっかけになりそうですよね。

     同じ系統?ではないような気もするのですが、最近家族が読んでいていたく感心していた本がありました。温暖化という現象を考えた場合、巷間言われているようなミクロな規模での節約型の省エネの取り組みだけに頼るなんてまったくのナンセンス――エネルギーの生産・消費のシステムにまで遡るマクロな施策をとりまとめることが急務だ、といった論旨のようで、いま「エコ」としてメディア上を賑わせている事柄(国際枠組みからライフスタイルまで)を独自の視点で検証しています。

    □田中優『地球温暖化/人類滅亡のシナリオは回避できるか』(扶桑社新書)
    http://www.amazon.co.jp/dp/459405384X

     まだ自分がぜんぜん読み終わってもいないのにご紹介するのもどうかなと思うのですけど(^-^;)、わりあい話題の本でもあるようで、情報だけ寄せさせてください。

  6. ブライアン より:

    最近、「99.9%は仮説」(竹内薫)という本を読んで、「常識はただの仮説にすぎない」という言葉が頭を駆けめぐっていたところなので、環境問題についても少なくともいろいろな立場の人の主張を一通り知る必要があるなと考えています。ちょうどゴアさんもノーベル平和賞をとったタイミングでもありますしね。
    上記の本、参考にさせていただきます。
    ありがとうございました。

  7. こくぴと より:

    こんにちは

    私も「たかじんのそこまで言って委員会」見ました。超高視聴率番組なのですが、残念ながら東京では絶対放送しないことになっているようです。

    番組中で、この著者と相対する経済学者の論争がありましたが、聞いていたパネラーのほとんどは、経済学者の主張のほうが説得力があると思ったようでした。

    スクールが終わったら、読んでみたいと思ってる本のひとつです。

  8. ブライアン より:

    こくぴとさん

    たかじんの番組、以前住んでいた都内のマンションでCATVのどっかの局で見た記憶があります。U局だったか衛星系だったか覚えてないんですが。

    今日「通販生活」の最新号が届いたのですが、その誌面でも国立環境研究所の人と論争という形で記事が載っていました。結局お互いがよりどころとするデータの根拠がどうなのかというところに行き着くような内容でしたね。でも最終的には「リサイクルも大切だけど、石油などの資源を地球的にどう節約するかが重要」というところに落ち着いたようです。