『プログラミングでメシが食えるか!?』

プログラマーについてのエッセイ集みたいなものは何冊か出ているけど、徹夜の毎日を送ったりといった非日常的な職場環境を強調しているものが多いのではないか。(少なくとも立ち読みしていた範囲ではそのように感じている)

この本はちょっとまじめにプログラマーという仕事への取り組み方を書いている。

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前半がプログラミングスキルについて、後半が仕事への取り組み方についてとなっている。

全体を通して著者が訴えているのは、「自分の得意とする専門領域を作り、最大限それを活かすようにキャリアを作っていく」ということだ。たしかに自分の柱となる技術を持っていれば、周囲からも自然に一目置かれるようになり、自分の得意とする仕事が自然と集まってきていいスパイラルとなっていくだろう。

ただ、著者もふれているように、現実はなかなかそうはいかないことが多い。特にプログラマーという立場はシステム開発の下流工程が活躍の場なので、自分で引き寄せるのは難しいところがあるだろう。

この本に関しては「内容が一時代前のもの」というような批判もあるようだけど、たしかに現在の大多数のプログラマーが舞台としている業務アプリケーションの世界では規模が大きなプロジェクトも大きいだろうし、技術的な制約が大きな中で仕事をしていかなければいけない。

しかし、著者の言っていることはしごくまっとうなことであり、何もプログラマだけでなく、一般に物事に取り組んでいく際の心構えとして十分通用することだと思う。

個人的には冒頭で書かれているようなトップダウンの構造化プログラミング手法は、昔から私の最も得意とする手法だったのでうれしかった。ただ、今のプログラミング基盤ではなかなかこうはいかないだろう。

コメント

  1. 尾崎元昭 より:

    現実は厳しいでしょうね。

    ますますニーズの多様化する世界の中で、プログラマーの皆さん、必死でしょう。

    作曲の世界はもうダメです。他に稼げる仕事を持たないともうどうしようもないですね。

  2. ブライアン より:

    作曲の世界も厳しいのですね。やはり専門分野の職業は自分の能力が源泉ですものね。