演奏家の立場

NHK-BSのクラシック倶楽部という番組でロシアの若手ピアニスト「ユリヤ・チャプリーナ」のスタジオコンサートを放送していました。

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曲目がチャイコフスキー(プレトニョフ編)のくるみ割り人形、同じくチャイコフスキーの四季で、くるみ割り人形は及川浩治の演奏を聴いて以来のお気に入りの曲なので、彼女の演奏も楽しみにしていました。

演奏は、年齢に違わずテクニックでぐいぐい引きつけるという感じではなく、一音一音大切にしながら曲を組み立てていくというタイプで好感が持てました。

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番組中でインタビューも放送されたのですが、印象的な言葉としては「ピアニストとしての目標は?」という問いに対して以下のように答えていました。(ちょっと長いですが引用します)

「私が目指すのは作曲家と聴衆の橋渡しをすることです。作曲家の偉大さと音楽のすばらしさを伝える"伝道師"となり、自分の可能性をフルに駆使して伝えていくことです。作曲家のメッセージをできるだけ明確に伝えたいと思っています。それがピアニストとしての最終目標です。とても難しいことです。妨げとなるものが実に多いのです。でも音楽と真に向き合えたとき、聴衆はまず音楽に耳を傾け、それから弾き手である私に気がつくでしょう。それが私の理想とするピアニストの姿です。」

まだ20歳そこそこの演奏家とは思えない答えだと思います。

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