『過剰医療の構造』読みました

藤井聡さんの書かれた『過剰医療の構造』を読み終えました。

以前から感じていたことを様々な角度から具体的データで立証してくれている内容です。問題点を指摘するだけでなく目指すべき方向も示しています。

新潟県に注目すると
「過剰医療の構造」(P205)より引用

上の図1を見てみてください。これは都道府県別1人あたり医療費のグラフです。一番高い高知県が68.4万円、一番低い新潟県が49.8万円で、1.37倍の開きがあります。
また、額の順番に都道府県を並べています。

「過剰医療の構造」(P206)より引用

それでは今度は図2を見てください。横軸は医療費の額、縦軸は健康指標です。医療費が高い低いに関係なく、健康指標はバラついているのが分かります。
図1での高知県と新潟県を比べると、同じくらい。かえって新潟県の方が高いくらいです。全国の中で比べても、医療費が一番低い新潟県が、健康上位グループにいるのが分かります。

ベッド数が多いほど一人当たり入院費が高い!
「過剰医療の構造」(P206)より引用

今度は上の図3を見てください。都道府県別の一人当たり入院費を表していますが、横軸は十万人当たり病床数としてプロットしてあります。
すると、ベッド数が多いほど入院費は高くなっていることがわかります。
これはどういうことかというと、ベッドをたくさん用意したら、それを無駄に遊ばせてはならないということで、長く入院させる傾向があるということです。

安易に薬を処方してもらっていませんか

ベッド数以外にも、健康保険制度が必要以上の医療(例えば検査)や薬の処方を生み出しているのではないかという問題提起も行っています。

患者はどんなに治療を受けても薬を処方してもらっても3割負担、1割負担で済むので、できるだけサービスを受けようという意識になります。また、医療機関(病院)も多くの医療行為や処方を行えば収益が上がるため、過剰な医療行為に結びついてしまうのではないでしょうか。

このような問題点がよく理解できました。

私の医療との向き合い方

私はもともと、元気に長生きするには極力医者と薬に近寄らない、ということを念頭に置いていました。
毎年健診は受けていますが、体調や老化の変化を定量的に定点観察したいというのが目的で、多少血圧が高くても中性脂肪が高くても(市の勧めをきかず)医療機関にはかかっていません。
受診してもこのような慢性疾患には血圧降下薬などを処方されて、一生飲み続けることになることが想像できるからです。
医療機関には、緊急性の高い治療の時にはお世話にならなければいけないと思っていますが、可能な限り距離をおいて生活できていけたらと思います。

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