シネウインド
久しぶりに新潟万代シティにあるシネウインドで映画を観てきました。

シネウインドは市民映画館として、メジャーな映画館では取り上げないような商業ベースに乗りにくい映画を上映しています。今回の「ビバ・マエストロ!」も全国的にコミュニティシネマ系のミニ映画館が主体となって上映されているようです。ちなみに新潟県ではここシネウインドでしか観ることはできません。
グスターボ・ドゥダメル

この映画はベネズエラ出身で世界で大活躍している指揮者、グスターボ・ドゥダメルの活動を追った、いわば音楽ドキュメンタリーです。
↓画像クリックで公式サイトを表示します。(予告ムービーもあり)

ベネズエラには子供たちに音楽の機会を与えるエル・システマという組織があり、ドゥダメルもここで才能を表し、世界へと羽ばたいていきました。しかしドゥダメルは世界中で活躍すると同時に故郷ベネズエラでのエル・システマの責任者として子供たちのためにも指導に当たっていました。
私がドゥダメルの名前や演奏を初めて知ったのは10年ほど前でしょうか。シモン・ボリバル・ユースオーケストラのヨーロッパ公演でウエストサイドストーリーの中の一曲、マンボをアンコールで演奏している動画でした。大編成の若者たちの熱狂的な演奏とそれをあやつる指揮者ドゥダメルの姿は強烈でした。ステージの上でパフォーマンスをしながら演奏する姿には度肝を抜かされました。(↓この演奏です)
名曲の数々

映画のチケットは前日の夜にオンラインで購入しておきました。上の写真の右端にある小さなモニターを操作して発券。

この映画では数多くの演奏シーンが出てきます。それらを大きなスクリーン、館内のダイナミックな音響で聴くだけでも至福のひと時です。
- ベートーヴェン/交響曲第5番
映画の冒頭からこの曲の「運命の出だし」のリハーサル映像です。4つの音をどのように演奏するか、何度も何度も繰り返します。団員は「短くとか速くとか技術的な指示ではなく、雰囲気を要求します」と語ります。 - ベートーヴェン/交響曲第9番
ヨーロッパ公演はベートーヴェンの交響曲全曲演奏。そのフィナーレを飾るのはこの曲でした。
ステージでの本番の映像も流れますが、急速に畳みかけるようなフィナーレには圧倒されました。昔、クリュイタンスの指揮するアルルの女・ファランドールのフィナーレを聴いた時の感激が蘇りました。 - ドヴォルザーク/交響曲第9番「新世界より」
この超有名な第4楽章の出だし。彼らにぴったりという感じ。 - プロコフィエフ/ロミオとジュリエット
これもかっこいい曲ですね。ぴったりです。 - モーツァルト/アイネクライネ・ナハト・ムジーク
おなじみの曲。リハーサル場面もありましたが、ツアーに向かうバスの中で陽気な団員がギターに合わせて口ずさんでもいました。 - マルケス/ダンソン第2番、第9番
ドゥダメルは若い頃第2番を聴いて育ったそうです。そして作曲者マルケスはドゥダメルへ献呈するために第9番を作曲しました。 - ワグナー/ローエングリン第1幕への前奏曲
エル・システマの創始者でドゥダメルの才能を育て上げた恩師ホセ・アントニオ・アブレウが死去。その追悼公演で冒頭に演奏したのがこの曲。「聖なる」という言葉がぴったりの大好きな曲です。この曲を聴けたのがこの映画を観て一番良かった。 - チャイコフスキー/交響曲第4番
死の数日前にドゥダメルはアブレウに思い立って電話したそうです。そのときにアブレウが聴いていたというのがこの曲。追悼公演のメインで演奏され、映画でも終盤の重苦しい雰囲気を象徴するように登場します。

音楽と政治

この映画は、世界で活躍すると同時に祖国で若者のために活動する指揮者ドゥダメルの姿を描くことを目的に撮影が開始されました。ところがベネズエラの混とんとした政情で状況は一変。祖国に足を踏み入れることもできない状況になりました。
それでも自身のできることを進め、ベネズエラの、世界中の子供たちが音楽の才能を伸ばせるように一歩ずつ進んでいく姿で終わります。
音楽好きの人なら必ず見てほしいと思いました。
えちごワンデーパス

この日の新潟日帰りは久しぶりに電車を使いました。見附駅の券売機で買い求めたのは「えちごワンデーパス」。

見附駅から新潟駅を往復すると通常の切符では1,980円かかりますが、このパスを使えば1,570円で往復できます。まあ皆さんご存じだとは思いますが、JR東日本に感謝します。
帰りは新潟駅17:03発の快速直江津行きに乗ったのですが、東京の西高島平に暮らしていた時に、春日駅から乗った帰りの都営地下鉄三田線の車内にいるような錯覚を覚えました。さすが新潟市、こんなに混むんですね。見附駅まで座席はほぼ埋まっている状況でした。なんかちょっと安心。
この記事はこの快速車内でノートパソコンを広げて書いたものです。
以下、参考動画です。
実は私は一度だけ生のドゥダメルの演奏を聴いています。
コメント
忙中閑ありの
素敵な映画鑑賞
演奏曲目名は聞き覚えのあるものばかりで観たくなります
かつてのLPレコードの世界です
のんびり電車の「えちごワンデーパス」はコーヒー1杯のお得感ですね
JRの粋な計らい?
取材力凄い!
いつもお読みいただいてありがとうございます💛
車で出かけるのもいいですが、たまには電車旅、いいですね。
映画という非日常を味わうために、電車でのミニトリップも組み合わせて、最高のひと時を過ごせました。
まずは、お詫び・お礼です。昨日は、全く恥ずかしいSOSを発信してしまいました。小学生でもやらない「私!失敗するので!」をやってしまいました。誠にすみませんでした。パニックになっておりました。。
スマホスクールにも入学できないような。お粗末でした。深く反省しています。
いえいえ、そんなことはないです。
私は他人のことを客観的に見ることができるので、知っている風を装っていますが、自分のこととなると頭が真っ白になります😅