今年2回目の妙栄寺によるお寺 de コンサートが今日開催されました。チェロとピアノによるコンサートです。

チェロはご存じ片野大輔さん。演奏家としての片野さんはもちろん素晴らしいですが、プロデューサーとしても多彩な活躍をされている方です。この妙栄寺の年4回のコンサートも片野さんが大きな力となっているとお聞きしています。
ピアノは長岡市在住の平林夕奈さんです。松本のご出身でパリ留学中に一緒になられたご主人と長岡に来られたとお話しされていました。ちなみにご主人はオマージュ・ア・パリという洋菓子店の店主だそうです。

演奏曲は
鳥の歌、G線上のアリア、フォーレのエレジー、以上をチェロとピアノ。愛の夢、幻想即興曲、以上をピアノソロ。再びチェロとピアノで愛の賛歌、好きにならずにいられない、ピアソラメドレー(オブリビオン~リベルタンゴ)、佐渡おけさ幻想。そしてアンコールが川の流れのようにでした。
実は妙栄寺の先代が先日亡くなられたということでプログラムに無かった「鳥の歌」を冒頭に演奏されました。スペインのカタルーニャ出身のチェリストカザルスがカタルーニャ民謡のこの曲を自身の編曲で広めた曲で、国連での演奏でも知られます。追悼の演奏として素晴らしかったです。
片野さんが頻繁に言われていましたがピアニストの平林さんは華奢な体に似合わずダイナミックな演奏をされました。フォーレのエレジーの冒頭からいきなり分厚い音が始まりびっくりしましたが、片野さんのチェロもそれにこたえるようなたっぷりとした低音で答えていたように思います。
演奏後に住職が挨拶をされて、亡くなられた先代とのこと、このタイミングでの今回のコンサートなどを語られていました。その中で、リハーサルを聴いていた時に「愛の賛歌」でハッとしたという心情を語られていました。これから未来に向けて歩を進めていく気持ちが湧いてきたということです。これは心を打たれました。今日の「愛の賛歌」はまさにそんな演奏だったと思います。ましてや父親をなくされた住職にとって気持ちにすっと入ってきたのかもしれません。
今日は本堂に響き渡るチェロとピアノの響きに、いつになく心を揺さぶられるコンサートでした。
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