『懐かしのトッテツ(栃尾鉄道)』

私が小さかった頃、近所には上見附(かみみつけ)という駅があった。「トッテツ」という愛称の鉄道の駅である。家の前の通りは、朝夕は通勤通学の人たちでにぎわっていたのを覚えている。

現在は道幅も狭く人通りも少ないが、当時を懐かしく思い出す。

20181029_145520

この本は叔父が貸してくれたもので、中に叔父自身が寄稿文を寄せている。その寄稿文に係るいろいろな経緯も話してくれた。

本の構成は大きく3つに分かれており、最初が「多川昌敏のトッテツ駅めぐり」。悠久山駅から上見附駅を経由して栃尾駅まで全部で26.4km、24駅について、トッテツを勤めあげた多川さんが語っている。

これが秀逸だ。資料的にも後世まで残しておきたい貴重な内容が盛り込まれているが、何より、鉄道、駅、客、職員に対する温かい目線がちりばめられている。こんなに愛された鉄道が60年間も地元で活躍していたことを、読んでいて誇らしくなった。

次が寄稿。10名の方がトッテツの思い出を語っている。それぞれの人生の中にトッテツがどのようにかかわっていたのか、興味深い内容だ。

最後が資料集。写真や歴史がまとめられている。

コメント