Evernoteは便利
Evernoteは歴史のあるノートサービスです。パソコンでもスマホでも、どこでも自分のノートにアクセスでき、入力する手段もキーボードから、カメラから、手書きから、スキャナから、他アプリから、Webからなど多岐にわたります。
私の主たる使用方法は以下のようなものです。
- 日記
- 読書記録
- 備忘録
- パソコンやスマホの啓蒙作業の記録
- Webサイト作成についての情報整理(サーバ情報、記事執筆メモなど)
- 作成したノートをWeb共有し、特定の人たちに見てもらう
手軽に情報を記録し、高性能な検索機能で情報を探し、とても便利に使っています。有料プランに入って、同期端末数や月間記録情報量などの制限を解除して使っています。
Evernoteのおかしな方向性
ところがここ数年Evernoteの方向性が変わってきました。
ライバルサービスの出現などの理由からかもしれませんが、多機能化にシフトしてきたのです。多機能化そのものは歓迎されるべきことなのですが、その影響で以下のような副作用が出てきています。
- 軽快な入力性が損なわれた
- 画面がスマートではなくなった
- 細かいところで今までの挙動が変わった
例えば、私は広いモニター画面の左半分に常にEvernoteを広げて作業しています。いつも同じ画面レイアウトでいてほしいので、次回起動したときも同じウインドウ位置で現れてくれていて便利でした。ところが最近にEvernoteは必ずモニターの中央に同じサイズでしか表示されない。その都度画面の位置と大きさを調整しなければいけないのです。(この問題でサポート担当と何回もやりとりを行い、「対応する」と回答をいただいてから2年経過します。)
文字フォントも自由が利かず、やぼったい画面。
しばらくLegacy版Evernoteを使っていたのですが、ノートのWeb共有が突然きかなくなり、しかたなく新しい版を使い始めています。
私が欲しいのは、多機能ではなくサクサクと確実に入力でき、画面表示も見通し良くスマートに表示できるというノートアプリとしての基本的なところをしっかりしてくれればいいのですが、おかしな方向性にいっているのが残念です。
notionはどうか
そこでしばらく前からEvernoteの代替になるものはないかリサーチしています。
まずMicrosoftのOneNoteがあげられます。手軽さということでは満足なのですが、残念なのはノートのWeb共有がノート単位でなくノートブック単位であること。ここは私は多用しているところなので譲れません。
次にnotionがあげられます。ここ数年でブレークしているサービスです。
私もずっとサブ的に使っているのですが、どうしても全面的に乗り換える踏ん切りがつきません。
どうしてかというと、手軽にメモを記入するだけ、という私の用途には合わないからです。データベースという機能はすばらしく時折使っているのですが、私の用途としては普通にメモを残したり、ノート代わりに情報を整理したりというもの。いらないものが多すぎてシンプルに使えない。検索もEvernoteには到底かなわない。
もしかしたら私がEvernoteでのノートブック、ノートというシンプルな構造に慣れてしまっているからかもしれませんが、手軽にシンプルにノートを管理したいという用途には向いていないと思います。ToDoやスケジュールなどをきちんと管理したい、データをきちんと管理したい。さらには組織などでToDoをきちんと共有管理したいという方には素晴らしいツールになると思いますが。
UpNoteはどうか
メモできるサービスはいくつかあるのですが、UpNoteというサービスは知りませんでした。
改めて調べてみるとシンプルにノートをとることに徹したサービスのようでしたので、さっそく使ってみました。すると結構いいです。本当にシンプルにメモを取ることに徹しています。動きも軽快。
ノート単位のWeb公開も可能でとてもいいです。ただ残念なのはPDF文書を埋め込むとファイルへのリンクのみ表示されてノート上で文書内容がプレビューできないのが残念。・・・と思い、しばらく使わなかったのですが、この記事を書くために再度使ってみたところ、最近PDFのプレビュー機能が付いたようです。これはいいですね。
無料だとノートの最大数が50に制限されていますが、永久ライセンスが\3,500なので、ライセンスを購入しました。これは格安ですね。逆に事業を継続してくれるか心配になるくらいです。
今後どうするか
現在、Evernote Pernonalプランを年間契約(\5,200)していて、来年の3月までは月間10GBのアップロード容量が使用可能です。情報によるとEvernoteにAI機能が付加され、料金がアップするとのこと。
notionをかなり有力な乗換先候補として期待して使っていたのですが、なかなかシンプルな使い方だと敷居が高いようで馴染めませんでした。
現在の最も有力な乗換先はUpNoteです。PDFのプレビュー機能も追加されたことですし、少し本腰を入れて使ってみようかと思います。良ければEvernoteから全面乗り換えします。Evernoteは無料版に戻しておけば、現在の内容は問題なく参照できるので、急いでデータを移行しなくともOKです。
ちなみにEvernoteからUpNoteにデータを移行するのは、Evernote側でノートブック単位でenex形式ファイルにエクスポートし、UpNoteでインポートするだけなので簡単ですが、ノートブックごとに作業を行う必要があるのでちょっと手間はかかりますね。
2023年10月5日 追記
この記事を書いた後、Evernoteの記事をすべてUpNoteに移行しました。そしてしばらく使ってみたのですが、細かいところでEvernoteにかなわないところが気になってきました。
- PDF文書を挿入した際のプレビューはEvernoteがスマートです。1ページサイズのウインドウにして画面内のカーソルでページめくりを行う形か、すべてのページを展開して表示するか選ぶだけで適切なプレビューにすることができます。UpNoteもプレビューができるようになったのですが、表示サイズと文書のページ情報が連動せず、いちいち調整が面倒です。
- 表の編集がEvernoteの方が柔軟です。行や列の移動がドラッグで可能だったり列幅を自動で均等に調整したり一日の長があります。
- サイドバーのノートブック一覧表示がEvernoteに比べて間延びしている。(空白が多い)
- 画像の表示サイズの調整がアバウト。(Evernoteは自由にサイズ調整可能)
- Web共有したページをスマホで閲覧した場合、画面拡大(ピンチアウト)が利かないので、画像で手順を示したような内容を見てもらいたい場合、細かい部分の確認がしずらい。
逆にUpNoteの便利なところもあります。
- ノートブック一覧やノート一覧の並べ替えに、更新日やタイトルなどでソートするほかに「カスタム」というものがあり、ドラッグして好きな順番に手動で並べることができます。これは便利。
- 文書編集のショートカットやマークダウンが多彩に用意されているので、お気に入りの操作手順を見つけられる。
- ブックの階層構造(Evernoteで言う「スタック」)が多重の入れ子にできる
それで現在はどうしているかというと、またすべてをEvernoteに戻しました。(実際はUpNote側で更新・追加したノートだけをEvernoteに手動で更新)
値上がりした件はしょうがない。閉じるボタンで終了するとウインドウ位置やサイズを覚えない問題については気長に待ちますが、現在はAutoHotKeyユーティリティを使って、ファイルメニューの閉じる動作をワンキーでできるように工夫しています。
毎日頻繁に使っているので、少しでも生産性があがる選択を行った結果です。
2023年12月2日 追記
10月に追記をしてからまたまた方針が変わりました。
やはりEvernoteの「ウインドウ位置・サイズ保存しない問題」に理不尽さが募ってきて、notionに再トライしてみました。この際、次の2点に留意しました。
- Evernoteのことはいったん忘れて、notionを純粋なノートツールとして使ってみる。
- できるだけnotionの特徴に身を任せてみる。
その結果、notionに完全に移行する踏ん切りがつきました。メールによる質問にも迅速に返事をいただけるし、誠実なサービスという印象です。(日本語でメールしたところ、日本語と英語を併記した返信がありました)
notionに身を任せると、ブロック単位での編集による柔軟さ、データベースを使ったスマートな整理などのありがたさをしだいに感じられるようになりました。
また、Evernoteからnotionへのインポート機能は問題なく使えています。まだすべてのノートブックを移し終えたわけではないですが、日常使うものから少しずつ(ノートブック単位で)notionに移行し、notionならではの管理方法にアレンジしています。
2024年1月25日 追記
3か月間notionだけの生活を送ってきましたが、あるきっかけからまた全面的にEvernoteに戻りました。
次の諸点がポイントです。
- Web公開した時に、公開された側のブラウザの画面で画像が含まれる場合の印刷がしっかりとできない時がある。(画像がはみ出る、末尾のブロックが印刷されないなど)
- Web公開した時に、スマホのブラウザで表示すると、ピンチアウトで拡大ができない。(画像で手順を説明していることが多いので、細かい字が読み取れない)
- 画像を挿入した時の大きさ調整などがいちいち煩わしい。
- PDF文書を挿入した時にプレビューの自由度が少ない。
もちろんnotionの素晴らしい点、使いやすい点はたくさんあり、すでに書いた通りです。ですが、特にWeb公開したときの諸点は、自分ではなく参照されている方の使い勝手になるので、決断しました。
以上、数回の紆余曲折を経てEvernoteに落ち着いた顛末でした。これでしばらくは落ち着くはずです。(3月に切れるPersonalプランのライセンス期限を自動更新に戻しました)
やはり実際に使ってみないといろいろなところが分からない。Evernote、OneNote、UpNote、notionのそれぞれのサービスに感謝しています。
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