東京散歩No.066 坂道めぐり『六本木・麻布』

【六本木ヒルズ、東京ミッドタウンなど進化していく六本木の街も、一方裏に入れば坂の街。道源寺坂、なだれ坂、芋洗い坂、狸坂など歴史のある坂が点在している。】所要:1.5時間
東京山手・下町散歩(昭文社刊)より

山の手って結構坂が多いです。今日のコース六本木・麻布周辺も半端じゃない傾斜の坂があちこちにあります。初夏の日差しが強く、暑い中でしたが、坂道めぐりをしてきました。

アメリカ大使館周辺

スタートは溜池山王駅です。ここは数年前まで地下鉄の便が悪く、サントリーホールへ行く時も新橋~渋谷のバスをよく利用していました。今は銀座線も止まるし、南北線だとここと六本木一丁目駅とどちらも近いしこの辺は大変便利になりましたね。

アメリカ大使館の角は3つの坂が集まっています。溜池方面へは榎坂、虎ノ門方面へは潮見坂、ホテルオークラ方面へは霊南坂です。今日は潮見坂へ向かいましょう。 (それにしても米大使館の周りは警備員だらけで、悪いことしてなくても近づくだけで睨まれそうです。)

潮見坂を行くと左から虎ノ門交差点からの道とぶつかり、そこに発明会館がありますが、右手に曲がっていくとそこが急な上り勾配の江戸見坂です。江戸時代にはこの坂から江戸中が見渡せたそうです。 ホントに急ですよ。

江戸見坂の右手にはホテルオークラがあります。坂を上りきったところに江戸見坂の案内標識があります。今日の坂道めぐりはずいぶんこの標識に助けられました。港区が設置しているものですが、各坂の由来がよくわかるし、道に迷わないですみますし。

江戸見坂の坂上に「奇人・変人・名人」というプレートが掲示してある一風変わった建物があります。大倉集古館です。日本初の私立美術館です。

集古館の前庭にはいろいろな像があります。これは誰だろう。

集古館への入り口は重い扉を開くとあります。展示物はそれなりに面白いものが集まっています。(当然撮影禁止なので写真はないです)
 この写真は2階に上ったところにあるベランダのようなところです。向かい側にホテルオークラ本館があります。オークラのレストランとのセット入場券などがあります。

大倉集古館を出ると、先ほど米大使館から伸びていた霊南坂と交差します。そこを突き抜けると六本木通へ抜ける下り坂になります。桜坂です。ここはアークヒルズの裏手になります。

アークヒルズでお昼にすることにしました。全日空ホテルの最上階のラウンジでホテルビュッフェ(2500円)です。眺めは最高だし、いろんなものを食べれるし満足です。窓から見えるのはテレビ朝日方面の六本木再開発ビルです。

六本木の谷間

アークヒルズを出て、また坂道探検再開です。ここから六本木交差点までの一帯は大使館も多いところです。

アークヒルズをぐるりと回るように上っていく道源寺坂です。

道源寺坂を上り、スペイン大使館を左手に歩いていくと突き当りがスウェーデン大使館です。

その先にはサウジアラビア大使館。

なだれ坂の途中に日本作曲家協会というビルを見つけました。レコード大賞を主催しているところですね。委員を見てみるといわゆる歌謡曲の作曲家の 集まりなんですね。

いったん六本木通に出ますがすぐに左折して急な坂を上っていきます。寄席坂です。明治時代に坂の途中に福井亭という寄席があったそうです。

せっかく急な寄席坂を登ったのですが、上りきったところでまた坂を下ります。丹波谷坂です。旗本の岡部丹波守の屋敷があったことが由来です。

さて、そろそろ六本木交差点が間近になってきましたが、目の前に突然空白地帯が現れました。この一角はなんなんでしょう。そしてぽつんと立っている一軒家はいったいなんなんでしょう。このすぐ後ろが六本木交差点なんですが、ここはまさに六本木の谷間のようです。

空白地帯をぐるりと回ると階段があります。ここを上るとまた繁華街で、ジャズのライブハウス「バードランド」などがあります。(最近はフラダンスのメッカになったようですけど)

アマンド裏手

六本木交差点からアマンドの角を曲がって麻布方面へ行きます。この辺のアマンド裏手辺りもくねくねとした道が多く、新しい発見があります。

芋洗坂です。この下には大江戸線が走っています。そしてまっすぐ進むと麻布十番に行くのですが、今日は寄り道しながら行きましょう。

アマンドから数十メートル下ったところにSTB139というお店があります。スイートベイジルと読みます。まだ入ったことはないのですがジャズ、クラシック、ポップスなど幅広い音楽をライブで聴きながらおいしい食事ができるという店です。ライブの分料金は高めになりますが、ぜひ行ってみたいと思います。(クラシックギターの大萩康司を狙っているのですが12月もスケジュールが合わなくて逃してしまいました)

鳥居坂沿いにある東洋英和女学院。

英和女学院の裏手にあたる於多福坂です。この辺は六本木周辺というより麻布の雰囲気がしてきます。

於多福坂から鳥居坂に戻る角にあるのがシンガポール大使館です。

鳥居坂に戻りました。この坂を下りきったところが麻布十番です。

麻布十番・元麻布

麻布というところも昔は地下鉄がなかったので、わりと独自の文化を守ってきた街ではないでしょうか。今は大江戸線と南北線と2路線が交差しています。(麻布十番駅)

鳥居坂を下りきった交差点をまっすぐ進むと麻布十番温泉があります。この写真では右上に白い看板が見えるところです。このようなところがどこか下町風でもありますよね。

さて、アザブジュバンの賑やかな商店街を通り過ぎると左手に七面坂があります。

七面坂を上りきったところを右折すると大黒坂です。坂の途中に麻布七福神(大黒天)がある大法寺があります。

大黒坂を登ると右手に暗闇坂、左手に一本松坂、まっすぐに狸坂が集合する四つ角があります。狸坂は人を化かすたぬきが出たところだそうです。

港区はこのような教会が突然現れることが多いです。外国人が多いことも要因でしょう。

狸坂の途中右手に突如現れたストリート。どんな人が住んでいるのでしょう。

こちらは狐坂。人を化かしたかどうかはわかりませんが、狸とか狐とか暗闇とか昔はそうとう寂しいところだったのでしょうね。(今でも夜はたぶん一人で歩くのはさみしいと思いますけど)

 さて、コースは六本木駅まで続くのですが、カメラの電池もなくなったし、この先はめぼしい坂道もありませんので、このへんで終わりにしたいと思います。

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