音楽は時間を引き戻す

少し前のNHK土曜の番組「家族に乾杯」でさだまさしが言った言葉だ。結婚式の時に思い出のあるさだまさしの歌を、30年経った今、目の前で聴いて涙が出てきたおばさんについて「音楽は時間を引き戻します。」と言ったのだ。(というような状況だったと記憶している)

本当にそう思う。自分の音楽記憶にはいくつか階層がある。まず中学~高校~大学を通して10代の頃の吹奏楽やオーケストラをやっていた頃の記憶。次に20代の頃のクラシックギターをやっていた頃の記憶。次は結婚してからいろいろなコンサートを聴いていた頃の記憶。最近10年はクラシックギターを再開して、それも記憶の領域に入ろうとしている。
何か象徴的な曲を聴いたりするとわぁぁぁっとタイムスリップしていく。そして当時の情景や気持ちや自分の生活がよみがえってくるのだ。

昨日、所ジョージ司会の「笑ってコラえて吹奏楽の旅特別編!!」を見ていて図らずも涙を流してしまった。一気に自分が10代の頃に戻っていくのがわかった。あのころのいろいろな思い出が溢れてくるのだ。

先日、30年前の頃の吹奏楽コンクール課題曲を集めたCDを聴いた。一曲一曲にそれぞれいろいろな状況が付随している。夏休み毎日一日中練習していたことや合宿での日々。特にマーチは強烈だ。吹奏楽の命はマーチだと思っているが、パーカッションの生き生きしたリズムに乗って歯切れ良く演奏されるマーチに勝るものはないと思う。ましてやそれらを中学生や高校生が演奏していたらもう涙ものになってしまう。

これを書いている今、ミュージックバードで録音した村治佳織の新しい録音を聴いている。武満徹が編曲した「ロンドンデリーの歌」をやっているが、20代の横浜でのリサイタルでアンコールに弾いた曲だ。最近ヤマハで習った時もこの曲のレッスンを受けた。ギター曲にもいっぱい思い出が詰まっている。

だけど、過去に引きずられているばかりが音楽じゃないよね。50歳の今が人生の半ば!これからも新しい音楽の記憶を作っていきたいと思う。

コメント

  1. 頓所治夫 より:

    山田君の意見に賛同します。俺も先週12の歌 地球は歌う 荘村清志のギターを CDにコピーしました。そのほか図書館で借りたCD 1970年代の曲を聴くと、あの頃の楽しかった思い出がよみがえってきます。去年高校の文化祭に31ねんぶりにいってきました。窓から外を見たとき、 昔クラブ(器楽部)で演奏した時の思い出がよみがえってきました。

  2. 禿山の一夜 より:

     自分では一番のお気に入りのこの記事にコメントをくれてどうもありがとう。二十歳の頃、よく一緒にギターを弾いたのを思い出すよね。