副題に「金融リテラシーの基本と実践」とついているように、この本はいわゆる投資について基本の考え方の理解と具体的な実施方法を述べたものだ。
著者の勝間和代さんは最近ベストセラーを頻発している方でテレビでお話を聞くことはあったが、実際に本を読んだのはこれが初めてだ。とても論理的に話を進めていて大変読みやすいのに驚いた。私もこんな文章を書きたいものだ。
話はまず「金融リテラシー」という言葉の定義とその必要性を説くことから始まる。その後展開される内容は以下の通りだ。
・現金や預金で資産を持っているということは大きな機会損失を生んでいるという面で実はリスクが高い。少なくとも定期預金するのであれば国債を購入すれば、銀行が稼いでいる利ざやを自分のものにできる。
・資産のリターンはアセット・アロケーション(資産配分)で80%が決まる。
・株式への投資は(面白みはないが)インデックス連動が一番。
・為替については、理論通り円高に向かわない限り、円貨以外で運用した方が通常はリターンが高い。
・銀行は対個人取引について大口定期預金と住宅ローンでしか儲かっていない。逆に言うと個人は住宅ローンを組むと大きな損をしていることになる。
・住宅に関して資産形成の上で最も合理的な行動としては、都心に賃貸で住みながら金融資産を多く持つということとなる。
・投資信託は効率が悪いと言われることが多いが、手数料も個別株などを買うことに比べて総合的に見ればさほど高くなく、アセット・アロケーションと組み合わせることにより最も使い勝手の良い金融商品。
・生命保険は必要な保証を低減型で組み、余ったお金を自分で資産運用する。
・コモディティ(商品)は「資源」の観点から重要。資産に組み入れたい。
そして、後半の実践編では金融で儲ける5つの原則と、10のステップを具体的に説明している。非常に実践的な内容になっている。だが、まったく初めての人が始めようとするにはやはり経験者のアドバイスやもっと具体的なセミナーなどに参加して知識を得た方がいいかもしれない。著者も参考文献を多くあげて、さらに勉強するように求めている。
投資を行うには当然投資原資が必要だが、この生み出し方を3つあげている内容がおもしろい。
①住宅ローンを組まないこと
②(特に都市部の人は)クルマを買わないこと
③生命保険を定期低減型にすること
今の自分は3つとも実現できているのがうれしい。
コメント
どもです~
原資の生み出し方,一つ一つ当たり過ぎですって(苦笑)
>住宅ローン
ええ,建てたお陰でスタートからして不利です。
未だミニ5枚(爆)
>クルマ
ええ,家の頭金にしてもお釣りがくるくらいに入れ込みました(汗)
>生保
この選択で昔大失敗し,今に至ります・・・(涙)
P.S.土曜日楽しみにしておりますm()m
土曜日よろしくです。