トレードと発表会とコンサートの一日

昨日土曜日は朝から夜まであちこちと出歩いていました。

まず午前中は、トレードの勉強会。NTスプレッドの第3回を行いました。4名の方に八丁堀に集まっていただき2時間ほどの勉強会。なかなかするどい質問もいただき、私自身も今後の方向性を考えるヒントをたくさんいただきました。ありがとうございました。

皆さんと食事をしたあと、京浜東北線に乗り、川口駅前の川口リリアホールへ。「バッハアカデミー」という音楽教室の発表会を聴きに行きました。

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このホールは中型ホールですが立派なパイプオルガンが正面に設置されている音楽専用ホールです。ほとんどの方はピアノを演奏されたのですが「バッハアカデミー」という名前の通りオルガンの生徒さんもいらっしゃりバッハのフーガの技法やヴィエルヌという作曲家の近代音楽などオルガンの音色も楽しめました。

それにしてもこんなに立派なホールで演奏できる生徒さんは幸せだなあと思いました。緊張していたひとも堂々と弾いた小学生も皆さん一生懸命で、元気をいただきましたよ。

ピアノを教えていらっしゃるmixiのマイミクさんの生徒さんも何人か演奏されていて、演奏の合間にご挨拶をさせていただきました。生徒さんとそのお母様達のお世話でいろいろと大変そうでした。お疲れ様でした。

発表会は66名の方々が出演され、夜7時半まで続きますが、夕方おいとまして、春日の文京シビック小ホールに向かいます。

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オーボエとピアノのデュオのコンサートです。この組み合わせだと通常はオーボエソロにピアノの伴奏という形ですが、このデュオはオーボエとピアノのアンサンブルという位置づけです。オーケストラ曲などをお二人でアレンジされ魅力的な曲に仕上げて演奏されています。

グノーのアヴェマリアで静かに始まりました。オーボエの増澤さんが曲目について解説しながら演奏されるのでリラックスして楽しめる雰囲気。この日のテーマは「踊る音」。バレエ音楽を取り上げています。まずラヴェルの『マ・メール・ロア』、これはマザーグースを題材とした音楽です。増澤さんは通常のオーボエの他にオーボエ属の仲間、オーボエダモーレとイングリッシュホルンも持ち替えながらの演奏です。この曲でも「美女と野獣の対話」の中で野獣の声をイングリッシュホルンで、美女の声をオーボエで演奏していたのは面白いアレンジでした。

次に新しいCD「展覧会の絵・ボレロ」の収録曲「ボレロ」のアレンジの苦労を実演を交えて紹介です。オーボエ、オーボエダモーレ、イングリッシュホルンの使い分け、原曲ではホルン、ピッコロ、チェレスタなどで表現されている倍音を使った奇妙な響きの再現、ピアノによるリズム連打、オーボエによるリズム担当など、いずれも実際の演奏を交えてお話しされていました。それにしてもオーボエダモーレってこうやって聴くとすごくまろやかで柔らかく言葉通り愛情あふれた優美な音がします。イングリッシュホルンはドヴォルザークの新世界2楽章のように郷愁あふれた音がしますが、この距離で聴くと息が抜ける音がちょっと気になりました。

残念ながらボレロの全曲演奏はありませんでしたが(CDを買って、ということかな)、とても面白い試みでした。

同じCDの「展覧会の絵」から「プロムナード」も演奏されました。この曲は今ピアノで練習中なので興味津々! 通常はピアノソロで演奏されるのですが、そこにオーボエがメロディーをからめるのです。「なるほど、こういうメロディーの取り方をするのか」というところがありました。ラヴェルのオーケストラ版とも違う新しい解釈です。

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左:若林さんが弾かれていたカワイのピアノ。オーボエとのデュオということでしょうか、とても柔らかい音を出されていました。
右:左に立っているのがオーボエダモーレ、右がイングリッシュホルンです。ステージに置きっぱなしでサイン会に行かれたのですが、大丈夫?(笑)

後半はおなじみチャイコフスキーの『くるみ割り人形』でした。この組曲はどの曲もかわいらしくて魅力的なのですが「演奏するのはとっても難しいのです」とおっしゃっていました。

ピアノソロでもプレトニョフ編のものが大好きでよく聴きますけど、オーケストラのいろいろな楽器で紡ぎ出される音楽をピアノとオーボエだけで表現するのは大変だと思います。やはり最後の「花のワルツ」が一番の聞き物でした。ピアノでのリズムとアルペジオにオーボエのうねるようなメロディーが絡み合い、華やかなフィナーレへと誘います。

アンコールはG線上のアリアでしっとりと。これはこの組み合わせのために作曲されたと思えるほどぴったりの演奏でした。会場のシビック小ホールはステージが小高くせり上がった台という感じで客席と一体感があり、一種サロンのような雰囲気で聴くことができたのもよかったですね。

ということで、トレード仲間に、アマチュア演奏家に、プロの音楽家にいろいろな方にふれあえた一日でした。

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