見附市の音楽プロデューサーを務める船橋洋介さんのイベントを聴いてきた。
タイトルは「語る」となっているけど、市内の中学生合同バンドの指導を通して、音楽に関して感じる、考える、きっかけとなるようなイベントだった。
ちなみにサブタイトルは「生きた音楽表現のためにアンサンブルの一体感とハーモニーを感じよう」。
氏は見附市の音楽プロデューサーになってから30年経過するという。
市内の4つの中学校(見附中、南中、今町中、西中)の吹奏楽部から集まった50名ほどの合同バンドが登場。
最初に船橋氏が「チューニングをどうぞ」と言うと、戸惑いつつ全員で音を出した。それに対して基準となる音(今回はクラ2名)を聴いて、それより小さな音で自分の楽器の音程を確かめる、とアドバイス。
南中の小林先生の指揮のもと、1曲目の「アラジンメドレー」を演奏。今日が4つの中学生で合わせるのが初めてだったとのことだけど、ある程度まとまっている。
指揮を船橋氏に交代。いくつかの言葉で生徒たちを導いていく。
「小さく」
「丁寧に」
「フレーズの中で一番大切なところを見つけて、そこを意識して歌う」
「指揮者に合わせるのではなく、今一番大切なことをやっている周りの人によりそう」
とてもためになる。私のピアノ演奏づくりにも取り入れられそうだ。
2曲目、見附中の前山先生の指揮で「アフリカンシンフォニー」。
ステージ上にあったピアノで冒頭のハーモニーを解説し、最後のメジャーに変わる和音を「光が差し込む瞬間」と表現された。生徒たちも納得したのではないだろうか。
次にステージの準備をしている間船橋氏の話があった。
氏は現在仙台で教職の活動もされている。最近は全国の中学、高校で吹奏楽の活動がとても盛んになってきていて、音大でピアノを先行して先生になる人も、いきなり吹奏楽部の指導をまかせられることがある。そんなために、各楽器の基本などもなるべく教えるようにしているとのことだ。
最後がピアノトリオでピアソラのリベルタンゴ。バイオリン、チェロ、ピアノ、息の合った演奏で楽しめた。
テレビ東京の「エンター・ザ・ミュージック」で指揮者の藤岡さんがアマチュア吹奏楽団を訪ねて指導する企画があるが、あれの見附市版みたいな感じのこのイベント、すごく楽しめた。
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