ジ・アート・オブ・クリストファー・パークニング《第1夜》

すみだトリフォニーホールには7月のゴンチチ夏祭りに続いて今年2回目だ。今日は前から4列目、ここから見るホールはすごく魅力的だ。ステージに向かって傾斜がついている2階バルコニー席がホール全体を引き締めている。そしてゴンチチの時には気がつかなかったパイプオルガンがステージ後ろに控えている。全体にウッディーでおちついた雰囲気といい、おとなのホールという感じだ。

そのコンサートホールでクリストファー・パークニングのギターコンサートが行われた。
クリストファー・パークニングは1枚だけCDを持っている。アメリカのソプラノ歌手キャスリーン・バトルとのCDだ。キャスリーン・バトルの素晴らしい声にうまく合わせてギターを弾いているな、くらいの印象しか持っていなかった。
今日のコンサートは《スパニッシュ=アメリカン音楽の精髄》というテーマでスペインとアメリカの音楽を組み合わせて演奏するようだ。

サンスのパッサカーリェとカナリオスというバロックで始まったが、次の曲はいきなりブローウェルの黒いデカメロンといった具合だ。パークニングの演奏はとても音色が表情豊かだ。セゴビアを師と仰ぐというだけある。
ピアソラ、ロドリーゴ、トローバ、テデスコと続いた。

実は、当日まであまり気にしていなかったのだが、共演としてバリトンのジュビラント・サイクスという人が出演した。一度袖に引き上げたあと、二人で登場してきた。黒人でとても大柄な人だ。プログラムの濱田滋郎さんの解説によると”カリスマ的”と言われている歌手だそうだ。
その歌声を聞いたときびっくりした。ものすごい声だ。私はもともとクラシックの歌はほとんど興味がなくあまり聴いてこなかったのだが、サイクスの歌声にはまいった。
まず、ひろいホールをびびらせるほどのものすごい声量。それと対極的な繊細な裏声による糸を紡ぎ出すような声。歌い出す前に必ず下を向いて気持ちを移入してようだ。こちらもそれに合わせて、どんな歌が始まるのだろうと期待が高まる。

アンコールの3曲目の曲はキャスリーン・バトルのCDにも入っていた印象深い曲だった。彼女の歌とは歌い方が少し違い、彼独特の味を出していた。しかし両者とも黒人系の血を感じさせる楽しく心地よい歌であることに代わりはなかった。

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