8月3日、池袋の東京芸術劇場に及川浩治のピアノリサイタルを聴いてきた。『激情のベートーベン』と題され、ベートーベンの標題付きのピアノソナタを中心にしたベートーベンプログラム。新しくベートーベンのソナタアルバムを録音したのでそのお披露目にあたるコンサートだ。
- ピアノ・ソナタ 第 3番 ハ長調 作品2-3
- ピアノ・ソナタ 第21番 ハ長調 作品53「ワルトシュタイン」
- ピアノ・ソナタ 第 8番 ハ短調 作品13「悲愴」
- ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ長調 作品57「熱情」
- アンコール ベートーベン:月光
- アンコール ショパン:子守歌
ピアノ:及川浩治
クラシックは学生の頃から親しんでいるが、恥ずかしいことにベートーベンのピアノソナタをじっくり聴いたのはこれが初めてだった。「悲愴」の有名なメロディーをギターで演奏したりといったことはあったのだけど。
2度目の及川浩治の演奏はエネルギッシュで引きつけられた。それはそれで堪能したのだけど、ホントに素人なバカな印象を書いちゃうと、ベートーベンのソナタは音が多すぎて消化不良になりそうだった。「音が多すぎる」という表現は映画「アマデウス」の中で皇帝がモーツアルトの曲に対して言った感想だけど、その気持ちがわかったような感じがする。
たぶん、もう少し聞き込むなり(無理だけど)自分で弾いたりすると消化されるのだと思う。
4曲の中では「熱情」が一番良かった。第一楽章で「運命」の主題が何回も出てきたのにはびっくりしたけど、第2楽章の変奏曲風なところも第3楽章の最後の盛り上がりも魅力的だった。たぶん及川浩治のメリハリのある演奏あってのことだと思う。機会があればもう一度聴いてみたい。
広い芸術劇場の大ホールを一人で満員にした及川浩治の人気もたいしたものだと思う。
☆☆☆関連記事
・ちょっとセレブにクラシックの夕べ
http://ict-mitsuke.whitesnow.jp/brian/wp-content/uploads/2022/03/2007/06/post_4080.html
コメント
西洋人の1つの癖なのでしょうか、空白を埋めてしまいたいという念が強いようです。日本人は「無」の声を楽しむ民族ですよね。それと、大勢の聴衆に聴かせるのには厚く重い響きが必要なのかも。
尾崎さんの曲は(すいません、まだぱらぱらっと楽譜を見ただけの印象ですが)シンプルで優しそうなイメージがしました。
音が多い曲も少ない曲も音楽の表現という面では同じように難しいですよね。