『フィンランド・北国の詩情 ~シベリウス作品集から~』

NHKハイビジョンで放送した『フィンランド・北国の詩情 ~シベリウス作品集から~』を見ました。構成は「名曲アルバム」の特集版という感じで、フィンランドの映像をバックにシベリウスの曲を3曲演奏しています。

1曲目は交響詩「フィンランディア」。この曲は高校時代に自分でも演奏したし何回聴いたか分からないくらいの曲なんですが、驚くことにとっても新鮮な気持ちで聴いてしまいました。

というのは、フィンランドの映像とフィンランディアの音楽が見事に一致していたというか、音楽が先か映像が先かわからないくらい両者が相乗効果を出してフィンランドの自然を演出していたからなのです。

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冒頭の重苦しい部分では、吹雪の針葉樹林の映像ではじまり、「零下30度の厳冬」「三分の一が北極圏」「ヘルシンキ港は冬の間氷で閉ざされてしまう」などのテロップがはいります。本当にこの金管楽器のうなるような響きやティンパニーの連打などで象徴される冒頭部分って厳しいフィンランドの冬を叙情詩として表していたんだなと納得しました。

次の、明るい喜びに満ちた部分ではヘルシンキ中央駅など活動的な街の様子と人々の活動が描かれます。

フィンランド賛歌の部分は、雪原でそり遊びに夢中の子供達の笑顔が、周辺国からの侵攻を跳ね返すフィンランド国民の希望を思わせ、フィナーレでは「厳しい冬も終わりに近づき除雪車が走り出すと、人々に春が間近いことを知らせる」と締めくくられ、この曲がいかにフィンランドの自然や民族を象徴しているかと感じさせられました。

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2曲目は、組曲「カレリア」より間奏曲。

この喜びに満ちあふれ底抜けに明るいマーチ風のメロディーは、春を迎えたフィンランドの緑を表現しています。「いまだ残雪が見られる対岸ノルウェーの山」「雪解けで水量は豊富 な川で昔ながらの方法で魚を捕る漁師」「バルト海に浮かぶオーランド諸島で人々は、むさぼるように陽を浴びる」などの風景が春の到来の喜びを表します。

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最後は、交響曲第6番の第2楽章。

叙情を帯びたこの曲は、つかのまの明るい季節が通り過ぎ足早に冬が到来するフィンランドの秋から冬にかけての様子や人々の心象と重ね合わされています。「繁華街はクリスマスのイルミネーションの飾り付け」「この季節も街は活気に満ちている」などの言葉が、自然と向き合ってたくましく生き抜いていくフィンランドの人たちと曲を聴いている自分の気持ちが共振するように感じさせられました。

 NHKって「ぴあのピア」もそうだけど、こういうクラシックのミニ番組作りはとてもうまいと思います。今回の番組は演奏者は紹介されずに分からなかったけど、あえて出さないんでしょうね。映像と音楽のコラボレーションにまったりとはまれた一時でした。

ちょうど、今週土曜に東京新聞フォーラム「指揮者が見たフィンランドⅡ」というイベントを観に行くことにしています。第一部が講演『カレヴァラをよむ』で、カレヴァラについてのお話を聞いた後、第二部が演奏『カレヴァラをきく』で交響詩「クッレルヴォ」を新田ユリ指揮アイノラ交響楽団(合唱独唱付き)の演奏で聴きます。(雰囲気が高まってきました)

コメント

  1. KURIKURI より:

     こんにちは!BS-hiではゆったりした佳い企画をやっているんですね。シベリウスの交響曲第6番は大好きな曲ですが、ちょっとマイナーな方かなと思っていて、素敵な選曲をするものだなあと。

     ところで今日(12/22)の『クッレルヴォ』のフォーラム、私も行きます!なかなかない機会だと思うので、実演に接するのがとても楽しみです♪

  2. ブライアン より:

    KURIKURIさん、今トリフォニーホールから帰ってきたところです。
    カレヴァラの入門的なお話、新田さんのクッレルヴォの解説、そしてフィンランド語コーラス付きの演奏、最後が水を得たさかなのようなフィンランディア。楽しい一時でしたね。

  3. えりぜ より:

    こんばんは^^シベリウス検索していたら、ここに辿りつきました。(笑)以前も別の検索でここに辿りついた気が・・。

  4. ブライアン より:

    再度のお越し、歓迎いたします(笑)
    シベリウス、練習してるんですね。

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