大澤美穂クリスマスコンサート

昨日からシベリウスのイベント、ピアノの発表会で演奏と続いた音楽三昧はいよいよ真打ちで幕を閉じます。大澤美穂さんのクリスマスコンサートが杉並にあるスタジオ・エルミタージュでありました。スタジオエルミタージュは杉並の住宅街の中にあるアンティークショップですが、精力的にサロンコンサートも開催しています。

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荻窪からバスで10分ほどのところにある住宅街の一角に落ち着いたたたずまいの入り口がありました。

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このようなサロンの雰囲気あふれるすてきな会場で、ソファ席などもありました。私はこの写真の一番ピアノに近い一番前の席に陣取りました。普段ホールでの演奏でしかピアノのコンサートに接していなかったので、このようなシチュエーションで聴くと、微妙な音の表情はもちろん、大澤さんの表情やペダルの使い方なども感じることができ、非常に新鮮な体験となりました。

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プログラムは前半に今年リリースしたCDからシューマンの3曲、後半にドビュッシーとショパンという大澤さんの暖かな演奏の魅力全開の構成。

■シューマン

各曲の演奏前には、大澤さんご自身による詳細な曲の紹介とその曲に対する想いなどをお話しされ、加えて至近距離で味わうピアノの音色のおかげで、あまりシューマンの曲になじみがなかった私も興味深く聴くことができ、すっかりシューマンの世界に漂うことができました。

大澤さんが感じるシューマンの魅力とは「あたたかさ」ということです。これは大澤さんの雰囲気にぴったりだと思います。今日の演奏を聴いて、本当にピアノの演奏との距離を(物理的だけでなく)縮められた感じがします。

それと例えば『蝶々』のそれぞれの12の小品はいろいろな異なった表情を持っているのですが、同じ曲の中でも突然表情が変わったりという意外性がおもしろいということです。「子供の情景」のお話でも、子供らしい優しい曲の数々が次第にくらい曲調になっていき最後はシューマン自身であろう詩人の語りで終えるというあたりは普通の曲ではないと感じさせるとのお話は興味深かったですね。

■ドビュッシー

ベルガマスク組曲もじっくり聞くことができました。無知な感想で申し訳ないのですが、「メヌエットって3拍子ではなかったのかしら、4拍子に聞こえる」と思ったのですが、さらに聴いていくと大きな3拍子が聞こえてきました。それからはその3拍子が気持ちの揺れとぴったりするというような心地よさに聞こえてきました。

■ペダル

有名な「月の光」はもちろんすばらしい演奏!うっとりと聴いていたのですが、大澤さんのペダルにふと目がいきました。私がピアノを弾き始めて一番難しいと感じたのが右ペダルの使い方でした。広いステージで聴いているときはよほど前の席でない限りペダルの踏み方の細かいところはわからないのですが、今日は目の前で見ることができました。(大澤さんごめんなさい)

「月の光」は長く踏んでいる場面が多かったのですが、それでも微妙なタイミングで離したり、とてもデリケートな動きに感じられたのです。ショパンの曲などでは本当に上げたり下げたり「こんなに細かく制御するんだ!」とびっくりしました。

それと3つ並ぶペダルの一番左のやつ(なんていうのか分からないですが)、柔らかい音を出すということは聞いたことがあるのですが実際に自分では使ったことはありませんでした。今日はその音色の違いを直に感じることができました。「月の光」の途中でもペダルを踏んでクレッシェンドを開始し途中でペダルを解放すると音色が明るくなります。そして次のフレーズに入るとフォルテなのにまたペダルが踏まれるというように、音の強弱と言うよりも音の明るさをコントロールしているのだなと感じました。

■ショパンとチャイコフスキー

ノクターンは有名な2番と5番。これは大澤さんの言葉によると「恋人がよりそう日本風の甘い雰囲気のクリスマスを味わっていただきたい」という計らいです。次のスケルツォではとてもダイナミックなショパン。圧倒されるような演奏で大澤さんのもうひとつの魅力を味わえました。

そしてアンコールは「ヨーロッパの家庭的なクリスマスを味わっていただきたい」ということでチャイコフスキーの「四季」から「12月クリスマス」。このサロンのアットホームなシチュエーションならではのあたたかいクリスマスでした。

■ふれあい

演奏後、会場ではワインが用意され、大澤さんや他のお客さんと話す機会がありました。大澤さんは私を見るなり「ブライアンさんですね」と言われびっくりです。このブログのプロフィールの写真で雰囲気がだいたいわかったということです。そうか頭を見るだけでわかりますね(笑)

また、隣で演奏を聴いていられたTさんという女性の方とも楽しいお話をさせてもらいました。大澤さんは長い間聴いておられるとか。またどこかの会場でお見受けしたらお話ししましょう。

大澤さんとは一緒に写真をとっていただきいい記念になりました。

今回のクリスマスコンサート、大澤さんの音楽を楽しめた一番の理由はサロンというシチュエーションだったのかもしれません。この近い距離でアンティークな雰囲気の中ピアノの音楽に身をゆだねるのは至福の一言の体験でした。シューマンの音楽に興味を持つこともできたしどうもありがとうございました。

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