蒸し暑い金曜のお昼。上野公園界隈に出かけてきました。
日比谷線上野駅から上野公園に行くにはJR上野駅をまたぐ必要があるのですが、パンダ橋っていう広大な連絡橋を渡るとすぐです。
まずは東京国立博物館(東博)です。
展示を見る前にちょうどお昼時にさしかかろうとする時間だったので、東洋館別館にあるレストラン・ラコールでランチをいただきました。水菜となすのトマトソーススパゲティ温泉卵のせ。ピザに半熟卵をのせたやつは食べたことあったけどトマトソーススパゲティにのせるのも非常に美味。
今回の目的は、東洋館で行われている特集陳列「朝鮮染織・装身具(朝鮮王朝時代の女性の生活と美)」という展示が今週いっぱいまでなので駆け込みで見に来ました。「チャングムの誓い」や今NHKで放送中の「ファン・ジニ」の時代背景である朝鮮王朝時代(日本で言うと安土桃山とかそのへんですね)の女性の服や装身具なのですが、ドラマではとってもきれいな衣装が目を惹いていたので追体験しようということです。
東洋館は日本文化に影響を与えたインド・中国・朝鮮などの文化を展示しています。今日のお目当ての朝鮮文化のコーナーは3階。だいたい歴史順に陳列してあるのですが、三国時代の頃のこの王冠が目にとまりました。今まさにはまっているドラマ「朱蒙(チュモン)」の中で王様がつけていた王冠にそっくりだったのです。時代は紀元前100年頃、キリストが生まれる直前の頃です。日本は弥生時代後期ですね。
これはお目当ての特集展示のコーナーのもの。いわゆるチマチョゴリの上掛けにあたるチマの方です。色がとっても鮮やかです。よくみると生地には細かい模様が織り込んであります。
スジョチブと言われる、箸やさじを入れるもの。
真ちゅうで作られた食器セット、チャングムの中の王宮料理でよくでてきましたね。
見終わって東洋館から本館へ移動。東洋館の入り口(出口)のドアは自動ドアなのですが、なんと観音開きに開きます。近づくとパカッっていきなり開くのでびっくりしますよ。
本館は日本文化の展示でかなり広いです。これは入り口近くにある部屋で、仏像が日本に伝わった跡をたどる展示。仏像を前にして涙している女性がいたとかいないとか・・・
本館から外に出ると、やはり熱そう。
思わずゲート前のワゴンで売っていたソフトクリームを食べました。
次の目的は東京文化会館内にある音楽資料室。
東京文化会館はコンサートで何回も来ていますが、エレベーターで4階に上がるのは始めて。
音楽資料室はその名の通り音楽に関する資料(図書、雑誌、楽譜、CD、DVD、LD)を閲覧することができるところです。利用するには登録が必要ですが無料です。音楽専門図書館という感じですね。あと鑑賞室というところがあって、ピアノ(スタインウェイ)が設置してあり、50席程度のミニ発表会などができるようになっています。利用料は無料。この写真は図書棚で、たくさんの音楽関係図書が並んでいます。
CDや楽譜などは整理カードがあって探せるようになっているのですが、検索用の端末も3台おいてありました。例えば「ベートーヴェン 交響曲 リスト ピアノ」などと入れて検索すると、リストが編曲したベートーヴェンの交響曲に関する楽譜やCDの一覧が出てくるわけです。閲覧したいものを利用票に書いて受付に持って行くと貸し出してくれます。
インターネットでもまったく同じ検索ができます。
http://t-bunka.opac.jp/
これはDVDの所蔵帳。DVDの帯の部分をコピーして貼り付けただけの非常にわかりやすいものでした(笑)。DVDだけでなくLD(レーザーディスク)もたくさんあります。
これは閲覧室です。奥にある棚が楽譜の所蔵を整理してあるカードの引き出しです。
今回はカツァリスが演奏しているリスト編曲の交響曲5番と7番(ベートーヴェン)のCDを借りました。視聴室には全部で30台の席があり、各席には写真のような機器が設置してあります。プレイヤーはパイオニア製でイジェクトボタンを押すと大きなテーブルがせり出してきて驚きますが、レーザーディスク、DVD、CDすべて再生することが出来るようになっています。その右にあるのがアンプですが、ヘッドホンを複数挿せるようになっていて、例えば二人で一緒にDVDを鑑賞するなどということができる(のでしょう)。ヘッドホンは完全密閉型で音が周囲に漏れないタイプですね。イヤーパッドに取り替え可能な白い布のカバーが装着してあったのは心配りでしょうか。
それにしても、たくさんの楽譜、CD、DVD、図書を無料で閲覧できるというのはうれしいです。楽譜のコピーサービスもあります(著作権が切れていない外国の楽譜は基本的にコピーできないそうです)。調べ物をするのもいいし、ゆるりとコンサートの映像などをながめているのもいいですね。
さて、1階におりるとそこはいつもの文化会館ロビーの喧噪でした。今、英国ロイヤルバレエ団の公演真っ最中のようです。ショップにもたくさんの人たちが訪れていました。
とても文化の香りを満喫した幸せな半日でした。
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