東野圭吾『新参者』

この間、このブログを読んでくれている知り合いから「ブライアンさんって実用書しか読まないんだね」って言われました。はい、そうです(笑) トレード系、自己啓発系、プログラミング系あたりが3大分野になるでしょうか。

だけど、ちょっと悔しく、若い頃は児童文学全集読破したり、太宰や三島、SF、推理小説など結構幅広く読んでたんだよ・・・ などと後で言い訳めいたことを考えたりしてました。

じゃあ、ということもあって、今風の小説家東野圭吾の最新刊を読みました。(妻が読んでいたのをそのまま借りただけなんですけどね・・・)

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東野圭吾原作のドラマや映画はたくさん見ているのですが、本を読むのはこれが初めてです。

この本は舞台が人形町です。表紙の右側のイラストを横にして拡大したのが下の写真。

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これは人形町通りと甘酒横町の交差点のステレオ展望した絵になっています。そして舞台はまさにこの交差点を中心とした人形町界隈を舞台にした人情にあふれた話を軸に進む殺人推理小説になっています。

話の筋はもちろん面白いのですが、登場するお店などがすべて実物のお店と重なるので人形町住人としては興味津々。最初に登場するせんべいやは甘酒横町ではすっかりお馴染みのせんべいや草加屋だし、向かいの喫茶店、卵焼きがおいしい店、三味線屋、料亭、喫茶去(きっさこ)と呼ばれる喫茶店、餡入りと餡なしの人形焼きを小売りする店、みんな知ってます(笑)

殺人事件を題材にしながら挿入されている話は人形町に暮らす人々の息づかいがそのまま聞こえてきそうな人情話なんです。最後は刑事の過去にまで話が及ぶ、まさに人形町を舞台にした話にぴったりのラストでした。

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