NHKのあり方について

NHKに対しては複雑な心境だ。
特に報道などのスタンスについては権力側に配慮した姿勢を問われることが多いし、実際そういう傾向があると私も感じる。また、最近の「貧困女子高生」に関する話題や先の大戦に関する放送など、特に権力側におもねっていなくとも、その内容に不満を抱く人々から「虚偽だ」とか「公平性に欠ける」などと攻撃されることが多い。渋谷の放送センター前に行くとそのようなアピールをしている人たちをよく見かける。

一方、私自身としてはNHKの番組は他局に比較して相当な割合で見る頻度が高い。それは多くがクラシック音楽、科学などの解説、またはドラマや映画であることが多い。私のテレビ視聴スタイルは、週末に翌週分の番組を一括して録画予約しておき、日々、録画された番組を見ては消す(時折メディアに保存することもある)という形だ。録画予約されたリストを確認すると結果的にNHKの番組が多くなるのだ。
つまり、私がNHKから享受しているのは文化・教養(・娯楽)系の番組が主たるものということになる。特にクラシック音楽のコンテンツは民放局には望みようがなく、NHKならではと感じている。今週もBSで早朝に放送している「クラシック倶楽部」でクラシックギターのシリーズを放送していて、クリコヴァの無伴奏チェロ組曲、ぺぺ・ロメロの演奏、大萩康司と林美智子(ソプラノ)の共演、荘村清志による武満徹コンサートなどを連日放送している。クラシックギターファンにとってはたまらない一週間だ。また、主に週末に放送される海外のオーケストラコンサートの放映も楽しみにしている。ウィーンフィルのニューイヤーコンサート、ベルリンフィルのヴァルトビューネコンサートなどをはじめとして、著名なまたはレアな団体のコンサートが定期的に放送される。

そして、NHKは放送法により、放送設備を設置している国民と契約を結び、受信料を徴収することにより運営されている。もっとも、政見放送や国会中継、国際放送などは税金が使われているとのことだが。
この受信料だが、喜んで払えない理由がいくつかある。まず、同じようにNHKを視聴していても払っていない人が相当数いるということ。それと、放送内容に不満があり見たくないと思った場合でも受信料は払わなければいけないこと。あと感情の問題だが、NHKの集金人の方はいずれも負のオーラを放っているので関わりたくないということ。置かれた立場上そうなるのは本人の責任ではないと思うのだが、過去に関わった集金人の方々はいずれも慇懃無礼な態度だった。できれば関わりたくない。

そんなこんなを考え合わせると、私が理想とするNHKのあり方は以下のようになる。

NHKのコンテンツは問題があるものもあるが、良心的に作られている魅力的なものが多い。有料でも見たいと思えるものが多いのだ。(民放の番組は逆に、良心的な番組はあるが、多くは大衆に迎合し見下しているつまらないもので占められていると個人的には感じる。)それは多くの視聴者に認知されている事実だと思うので、自由契約に変更し、契約した人だけが見ることができる形にすればよい。デジタル放送ではそのようなしくみは現に実用化されているので、技術的な問題はないはずだ。実際にBSではNHKに設置連絡をしないと確認メッセージが消えないしくみを実施している。ということはNHKではB-CASカードIDをすべて把握していることになるので、スクランブルをかけようと思えばいつでもかけられるはずだ。
そして、政見放送や災害時の情報提供などはスクランブルを外して、放送する。その費用は税金でまかなえば良い。過去に長年にわたってWOWOWと契約していたが、WOWOWにできてNHKにできないことはないと思う。現行のコンテンツの質を落とさないのであれば多くの人が契約したいと思う。

結果的に、都知事選に立候補した立花さんが訴えていることと同じ内容になってしまったなあ。

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