水はなんにも知らないよ

20070625mizu01

水が入った2つの容器に「ありがとう」と「ばかやろう」と書いた紙を貼っておくと、水の結晶が前者はきれいに後者はきたなくなる、というばかげたことを言っている江本勝氏のデタラメをあばくことからこの本は始まっている。

だが、この本を読みたかったのは本の後半に書かれている水ビジネスに対する科学的検証の方だ。アルカリイオン水、パイウォーター、磁化水、波動水などいろいろな水が商品として世の中に氾濫している。それらは販売者が言うような効果があるのだろうかということを科学的に検証しているのだ。

結論から言うと、想像がつくように科学的根拠が薄いかひどいものはまったくデタラメだということだ。特に「クラスターが小さい水」という言葉は最近目にする機会が多いと思うが、まったく根拠がないという。

また、市販されているミネラルウォーターについて、ボトリングされている飲料水であれば「ミネラルウォーター」と言っても良いことになっていて、実際のミネラル量は硬水以外は水道水と大差ないか少ないものものあるという。また水質基準は水道水よりも緩いというから、市販ウォーターに求められるのはボトリングして販売されている利便性と「おいしい」と感じる清涼性ということになる。さらに、飲み水にミネラルが多く含まれていたとしてもそれを飲むことによるミネラル摂取量は微々たるもので、野菜などを一口食べることに比べたらその効果に大きな期待を寄せることは効率が低すぎるという。

それで、よい水を飲みたいと思っている私はどのように行動すればよいのかということだけど、この本を読む限りにおいては以下のようになる。

・アルカリなんとかとかクラスターがどうのというような特別な効き目があるかのように宣伝している商品には近づかない。
・家庭で摂取する水は水道水を基本として問題ない。
・水道水の塩素やトリハロメタンなどが気になる場合は10分程度煮沸して冷やせばおいしい水になる。
・浄水器は活性炭とマイクロフィルターを使用した一般的なもので十分だがカートリッジの交換はおこたらないこと。

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