これはすばらしい本だと思った。
呼吸法で「人生が変わる」のか!? 「深呼吸は体に悪い」のか!?
これらのキャッチーなコピーに囲まれた本書だが、内容はとてもシンプルで説得力がある。
■体が酸素を活用できるカギは血液中の二酸化炭素の量による
体は酸素を必要としており、酸素は血液で体中に運ばれる。しかし、血液中の酸素濃度が高ければ筋肉や臓器が酸素を活用する量が増えるというわけではない。それは血液中の二酸化炭素の量によるということだ。二酸化炭素の量が増えると体は酸素を吸収しようとする。
■高地トレーニング
アスリートがトレーニングの環境として高地トレーニングを行うことはよく知られている。これはまさに酸素の少ない環境で体を動かすことにより、体が効率よく酸素を活用できるようにすることを狙ったもの。1968年のメキシコシティオリンピック後、平地に戻った選手たちがいきなり自己ベストを更新できるようになったことで始まったこと。
この高地トレーニングと同じ効果をアスリートだけでなく、一般の人々の健康にも活用できるようにしたのがこの本に書かれている呼吸法ということになる。
■鼻呼吸
一番の基本は鼻呼吸にすること。そんな単純なと思うかもしれないが、口は食料を取り込むところであって、空気を取り込む器官は鼻である。さまざまなメリットが紹介されている。
鼻呼吸するには口を閉じればよい。そして寝るときは口にテープを貼って強制的に口呼吸を封印する。
■無呼吸でどれだけ耐えられるか
本書がこの呼吸法の指標にしているのはBOLTスコアというもの。安静にした状態で口を閉じ、鼻をつまんで我慢できなくなるまでどれくらいの時間耐えられるか、というもの。
1か月前に測ったら20秒だった。この呼吸法を1か月実践している今日測ったところ46秒に延びている。(自分で行うにはいろいろ注意事項があるので本を読んでからにしてください)
このBOLTスコアが伸びていくことを指標にエクササイズが紹介されている。
■実践していること
まず、起きているときは基本口を閉じているように意識する。油断するとぽかんと口が空いてしまうので、結構大変だ。
寝るときは口に絆創膏を貼って、強制的に鼻呼吸だけで睡眠するようにしている。
朝のトランポリンとストレッチの際に鼻呼吸だけで運動するが、加えて吸を止めることを並行して行う。
歩くときは定期的に無呼吸状態を挿入して軽い呼吸に慣れていく。
■期待できること
著者によると、喘息の症状はこの呼吸法エクササイズでほとんどが完治するという。私は喘息ではないが、正しい鼻呼吸を行うことにより、きれいな空気を体に取り込めるようになりたい。
願わくば、本書に紹介されているように、ダイエット、集中力強化、山歩きの際の疲れにくい体づくりに役立てたい。
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