ヘンデル『メサイア』

先週末、25年前に、企業内学園で過ごした2年間、ギターを一緒に練習した友人から連絡があり、文化の日、『メサイア』の演奏にコーラスで参加するので聴きに来ないかとお誘いがあった。メサイアはハレルヤコーラスは単発で聴く機会は多いけど、全曲演奏を聴くのは学生時代(30年前!)に聴いて以来だ。

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会場はミューザ川崎シンフォニーホール。このホールは初めてだ。JR川崎駅から連絡デッキで直結していて遠くから聴きに行く場合はとても便利だ。JR川崎駅自体、通過したことは何回もあったけど、改札を出たのは今回が初めてのような気がする。

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ミューザ川崎コンサートホールはサントリーホールに似ているが、客席を含めてもっと全体が円形の感じのパイプオルガンを背面に配したアリーナ型ホールだ。 色合いも落ち着いており、赤いクッションの客席が映えている。ステージ脇には字幕用の電光掲示板が設置してあった。

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 指揮 :中西義忠
 ソプラノ:中西和世子
 アルト :藤井奈生子
 テノール:中西規夫
 バス :高橋洋介
 管弦楽:ブルーメンシュトラウス管弦楽団
 合唱 :ブルーメンシュトラウス混声合唱団

このブルーメンシュトラウスという団体はキリスト教関連の団体のようだ。毎年メサイアの全曲演奏会を行っているということで、友人は2回目の参加だと言っていた。合唱はソプラノ72名、アルト81名、テノール27名、バス25名、総勢200名あまりのメンバーから構成されており、壮観だ。

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入場時に立派なプログラムが手渡された。中にはメサイアのテキストが全文載っていて、対訳はもちろん載っているのだが便利だったのは上の写真のようなルビでふられた単語訳だった。演奏を聴きながら歌詞を聴こうとすると、和訳を見ていたのでは歌の世界に入り込めない。原文を理解できるに越したことはない。

オラトリオはオペラのような視覚情報もなく、歌詞が分からないとただ単に聴いているだけだときついものがある(私は)。この晩はこの単語訳のおかげで興味深く聴くことが出来た。よく考えてみるとヘンデルはイギリスが母国のようなものなので歌詞は英語なんだとあらためて思った次第。

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で、肝心の演奏なんだけど、これが素晴らしかった。4人のソリストを除いてみなさんたぶんアマチュアなのじゃないかなと想像するんだけど、メサイアにかける情熱が伝わってくる力演だった。中でも圧巻だったのがやはり「ハレルヤ」だった。楽譜をおろして全員暗譜で真摯に音楽と向き合っている。ハレルヤってこんなに輝かしい喜びにあふれた曲だったんだって、ちょっと涙ぐんでしまった。

ステージの左からソプラノ、テノール、バス、アルトと並んだコーラス群が、右から左から立体的に迫ってくる。人の声が巨大なうねりとなって喜びを形作っていた。

合唱素人の私の感想だけど、アルトの声っていいなあと感じた。ソロのアルトもそうだったのだが、合唱のアルトはとても暖かい色合いを音楽に付け加えてくれていたと感じたのだ。

もちろん技術的にはいろいろあるんだけど、そんなことは超越して終演後の大拍手・声援につながったんだと思う。

コメント

  1. 桜子 より:

    友達に紹介されてブログを拝見しました。アルトだったので読んでいてうれしさ倍増でした。

  2. ブライアン より:

    桜子さん、こんにちは。

    読んでいただきどうもありがとうございました。アルトにとても癒されました。
    実は、友人から誘いがあった後、「ブルーメンシュトラウス」ってどんな団体なんだろうって検索したんですが、桜子さんのブログをそのときに拝見させていただきました。いろいろと精力的に発信されていますね。今回の舞台裏ルポもとてもおもしろかったですよ。