藤原伊織『テロリストのパラソル』

随分久しぶりにミステリー小説を読みました。藤原伊織の『テロリストのパラソル』です。

Terolist

ミステリーというよりハードボイルドっていう感じでしょうか。Amazonで1円で購入した古書です。

1995年の江戸川乱歩賞と翌年の直木賞を受賞した作品。

内容は、アルコール中毒のバーテンである主人公が公園の爆発事件に巻き込まれてから、犯人にたどり着くまでを時系列に追っていくストーリーです。主人公は指名手配されるのですが、そういう時間と状況がものすごい緊迫感を持って迫ってきます。作者の藤原伊織のさんという方の文章力は素晴らしいと思う。

そういう緊迫感とあいまって、会話の軽妙さも楽しめた。特に主人公と被害者の娘との会話は清涼感さえ感じるほどみずみずしい。

これがハードボイルド小説っていうやつなのかと改めて認識を新たにしました。

ちなみに、フジテレビでドラマ化した映像がYouTubeで見れたので早速見てみたが、1時間半の枠に収めるのはちょっと無理があるし、主人公の萩原健一は空回り気味。改めてこの小説の完成度の高さを感じた。

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