YouTubeで私が楽しみに見ているチャンネルの紹介。ここのところクラシック音楽関係が続きます。今日はクラシック音楽を解説しているチャンネルです。
解説チャンネルは、名演を紹介するようなものも含めてたくさんあり、どれも魅力的ですが、今回はクラシック音楽の入門という位置づけの内容を多く配信しているチャンネルを取り上げます。
まずは「厳選クラシックちゃんねる」。nacoさんという女性がクラシック音楽を紹介してくれます。バロック、ロマン派といった区分け、作曲家別、名曲の単独解説などわかりやすく丁寧な解説が楽しいです。ご自身は会社員で合間に動画を作成しているということでまさに手探り状態から開始されました。初期のころから見させていただいていたのですが、紆余曲折を乗り越え、現在は登録者数14万人という、クラシック音楽の解説という地味な内容にもかかわらず、大きく成長してきました。
紆余曲折というのは、紹介するために動画の中で使用する演奏の著作権の問題です。YouTubeにはContent IDというシステムがあり、著作権侵害している音楽などが使用されていないか自動で検出されます。問題は、著作権が自分にあると主張している団体が信用にたる団体なのか疑わしいことです。
このチャンネルでは古い録音など著作権が切れている素材を用いていたにもかかわらず警告が届き、放っておくと動画が削除されるというところまでいったようです。この団体に連絡をとってもなしのつぶて。ライブ配信などでnacoさんは涙ながらに状況を報告していました。こんな無駄なことに時間を使っているのがばからしい、とさえ言っていたのを覚えています。
そこに救いの手を差し伸べてくれたのが日本コロンビア。自社の演奏を自由に番組内で使っていいと、協力を申し出てくれたそうです。それ以来、厳選クラシックチャンネルは息を吹き返し、パワーアップしてきました。
最近では楽曲解説だけでなく、指揮者や音楽祭とのインタビュー、コンサートホールの紹介、さらにはコンサートの開催など、目を見張る活動を見せています。
次が「車田和寿‐音楽に寄せて」というチャンネル。
運営している車田和寿さんはドイツを中心に活躍している歌手。チャンネル名の「音楽に寄せて」にあるように、車田さんは楽曲解説にとどまらず、音楽とは、芸術とは、音楽大学、職業演奏家の生活基盤、中高校生のコンクールの弊害など、さまざまな観点から音楽を語っています。自分の言葉だけでこれらを語るのはすごいと思います。
もちろんすべての内容に共感できるわけではありませんが、音楽や演奏すること、それを生業とすることなどに切り込んでいく観点はいつもハッとします。
例えば「芸術とは何ですか」という問いに対して「非日常」と答え、それを説明している回がありました。勉強になります。
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