すでに放送終了したドラマで申し訳ないのですが、とても印象に残ったドラマだったので記録しておきたいと思います。
NHK-BSで日曜の夜放送されているプレミアムドラマ枠での番組です。

その印象をひと言で言うと「大人のドラマだなあ」ということです。タイトルの「グレース」というのはドラマの中心アイテムである赤いクルマの愛称。これはHONDAのS800というクルマで逆輸入されたので左ハンドルのオープンカー。主人公の夫婦のうち妻(尾野真千子)の愛車で、昔の所有者であるグレース・ケリーにちなんで「グレース」と呼んでいた。

ドラマは妻がヨーロッパ旅行に出かけるためにグレースにのって空港に向けて自宅を出発するところから始まる。
ところが、旅行先で事故に会ってしまい帰らぬ人となった。

妻が亡くなってからいろいろなことがわかってくる。愛車グレースは、免許証を持っていない夫に相続すると遺書に書かれていた。夫は免許を取得しグレースに触れ始める。そこで分かったのがグレースのカーナビに残されていた目的地の履歴。まっすぐ空港に行かず、1週間ほど全国をドライブした後にパリに旅立っていたということが分かった。
ドラマはその履歴を辿るドライブに沿って進み、思わぬ展開を歩み始める。

そのような筋立てなのですが、夫と妻との関係、特に妻の夫に対する理解と愛情、命が限られるときにどのような行動をするのか、などなど、ミステリー小説を読んでいるようなワクワク感も伴いながらストーリーが進んでいきました。
赤いクルマをモチーフに使った作品というと、村上春樹の短編を元に作られた「ドライブ・マイ・カー」がありました。作品として比較すると、私は「グレースの履歴」の方がエンターテイメント色が強く、しかもドラマの背景も糸が絡み合うようなミステリー性もあり楽しめました。
もし今から見たいという人がいたらNHKオンデマンドに加入しましょう😅
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