『地球温暖化/人類滅亡のシナリオは回避できるか』

先月読んだ『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』で環境問題についての見方の問題提起を考えさせられた。

『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』
先日書店で平積みになっていたこの本が目に止まった。かなりセンセーショナルな表紙だ。普段、ゴミの分別やエコバッグ活用をやっている身としては気になる内容だ。 この本で主張してることは以下の内容だ。 ・ペットボトルのリサイクルなどごみのリサイクル...

この記事にいろいろな方からコメントをいただいたが、今回の本はそのときに紹介いただいたものだ。

20071121ondanka01

『環境問題はなぜウソが・・・』では地球温暖化だけではなくリサイクル問題なども含めた環境問題全般について「国家、営利企業、自治体、マスコミなどの組織に踊らされず、ゆったりした自分の生活をすることが今個人レベルでできることの最善の策だ」というような帰結になっていた。

それに対してこの本は、地球温暖化に的を絞り、現在がいかに危険な状態か、それに対して一般に言われていることの問題点と私たちの個人レベルでできることは何なのかということを述べている。

両者とも結論としては大きな方向性の違いはないように思えた。しかし、この本はより具体的に私たちのできることについて方向性を示している。

以下のような筋立てとなっている。

・急激な地球温暖化の現象は現実のものでへたをするとあと数年から数十年でとりかえしのつかないこととなる。
・急激に温暖化が進んできた原因は温室効果ガスを私たち人間が大量に作り出していることにより、最も大きな割合を占めているのは二酸化炭素である。
・二酸化炭素は石油を消費することによって最も大量に放出される。さらに電気を作り出すための消費が大きな割合を占めている。
・電気の消費は82%が事業用、18%が家庭用である。事業用電気料金は使えば使うほど安くなり大量消費を助長している。電気料金を高くすれば電気消費が押さえられるのは経済原則から言って確実であり、発電設備建設の抑制も容易である。
・事業用電気消費削減を行う対策をとれば効果が大きい。家庭での削減キャンペーンは(もちろん必要ではあるが)産業での削減をカモフラージュするために使われてはならない。
・家庭で出来る電気使用量抑制でもっとも簡単で効果があるのが冷蔵庫を省エネタイプに買い換えること。(その他にも多数の提言あり)
・これからの枠組みとしては自然エネルギーを活用する社会にしていくことが必要。

いろいろな事実を知ることができたが、中でも考えさせられたのはF15戦闘機が頭上を8時間飛行すると、一人の日本人が生涯に排出する二酸化炭素と同じになるという。エコバッグとかマイ箸とかやっているのがばからしくなる。(この本では戦争は資源にからんでいるところで発生するということに言及している)

『環境問題はなぜウソが・・・』では石油枯渇に照準を合わせており、地球温暖化に対する危機度の認識の差はあるが、私たちのすべきことは急激なエネルギー消費を抑えるゆったりした人生を送ることだとしている。両者とも基本的な方向性についてそれほど違いがないように思えた。

コメント

  1. 尾崎元昭 より:

    もうそろそろ滅ぶ準備をしておいた方がいいのでは

    ありませんか。

    地球が産んだ最悪の生物、それが「人間」なのですから。

  2. ブライアン より:

    そのテーマで1曲できそうですね。「人類のレクイエム」みたいな。