2つの「社会派ドラマ」

先週、2つの社会派ドラマが最終回を迎えました。

・「再生の町」NHK土曜ドラマ
20090928_dorama01
http://www.nhk.or.jp/dodra/saisei/

・「官僚たちの夏」TBS日曜劇場
20090928_dorama02
http://www.tbs.co.jp/kanryou09/

両方ともとても見応えのあるドラマだったので一緒に終了すると寂しい。

「再生の町」は夕張市の財政破綻に端を発した地方財政をテーマに取り上げた異色のドラマです。大阪の架空の町「なみはや市」で問題になっている財政赤字を脱却するためにプロジェクトチームが組まれ、一律15%削減を目標に市役所内外の現場を駆け巡り、最後は進行中だった巨大プロジェクトの中止とそれに絡む政治と利権の問題がクローズアップされます。

ドラマに登場する人々の「自分たちの町」への思いがいろいろな角度から取り上げられていることがこのドラマを面白くしていた要因だと思います。

もう一つの「官僚たちの夏」は、城山三郎の小説が原作(読んでないですが)。戦後の復興期から高度成長を遂げる昭和30年~40年の日本の産業を引っ張っていく通産省官僚の「思い」を描いたドラマです。民主党政権誕生と期を一にしたわけですが、それは意図されたのか偶然かわかりません。ですが「脱官僚主導」をキーワードに掲げている新政権でイメージされる官僚と、このドラマで描かれる官僚にはかなり隔たりがあることは確か。

この2つのドラマを比較すると、個人的には「再生の町」のほうが面白かった。それはたぶん日本の現代の問題を描いているというバックボーンも理由にあるだろうけど、ドラマ制作の姿勢がNHKらしい「まじめさ」を感じさせたからかもしれません。「ハゲタカ」でもそうだったけど、こういう硬派な内容を人間性のクローズアップを交えて描ききる力はNHKならではです。

「官僚たちの夏」ももちろんまじめに取り組んだ面白いドラマなのだけど、はやり今のこの時代に高度経済成長期の親方日の丸軍団の官僚の活躍を描いても「でもなあ」っていう気になってしまうところが損をしてたかな。

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