『現代語訳 古事記』蓮田善明著

見附市古代日本史同好会の次回の課題図書である「現代語訳 古事記」を読了した。


今月、読書会を行うため、読んでみた。ここに事前に感想を書いてみたい。

今まで古事記を通読したことはなかった。鈴木三重吉の「古事記物語」を小学生の時に読んだ覚えはあるが、神話部分は面白く読んでワクワクしたものの、後半の天皇記の部分は飽きてくじけてしまったように思う。

関根先生の古事記の講義でもポイントポイントは目を通すけど通読したことはない。YouTubeなどで古事記の解説をしているものを見聞きすることは多いけれど、自分で読んだわけではない。
そんな状態で今回「現代語訳 古事記」を通読する機会を得たことは本当にうれしい。
■上巻を読み終えて
改めて神話の並びが整理できた。それと、一つ一つの神話は淡々と書かれているけれど、記述の後ろに隠れている教訓などを考えることができた。
それとこれらを記憶したという稗田阿礼は今でいう記憶術の大家だったのではないかと思う。あやかりたい。
■中巻を読み終えて
神武天皇の東征から中巻に移る。とうことは上巻の神話を終えると現代につながる皇統に入るという構成だ。
読んでいて気になったのがやはり百三十七歳(神武天皇)とか百六十八歳(崇神天皇)とかの記述だ。
これらをどう解釈するのか、関根先生から一度お話を伺った記憶があるが、もう一度調べてみたい。いわゆる「欠史」論争の話を自分なりの意見を持ってみたいと思う。
また、ヤマトタケルと神功皇后という二人のヒーロー、ヒロインが登場して俄然面白くなった。特に神功皇后の活躍はドラマになりそうだ。(でもまた韓国が騒ぎ出すか・・・)このあたり、日本書紀も読んだうえで、関連の情報を見てみよう。
■下巻を読み終えて
歌がたくさんあることを初めて知った。
雄略天皇はずいぶん乱暴な人だったという記述が続く。
古事記に書かれている天皇は、 それぞれ。 異なる宮で政を行ったようだ。
古事記では執筆時代に近くなるほど記述が概要だけになってくるような印象だ。こちらも日本書紀の記述を確認してみようと思う。やはり古事記は神話に力が置かれ、日本書紀では皇統に力がおかれているのだろうか。

全体として、生き生きとした文章でとても読みやすかった。
ただ、人名(神様名)がカタカナで書いてあるのはいいけど、なかなかイメージとして頭に入らない。感じ+ルビになるとわかりやすいと思った。

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